後日談-2 ページ29
「今更不法侵入だの何だのってねェだろ」
「まぁ、それもそうだけど。で、どうしたの？」
「…はぁ。紺炉の言う通りだなァ」
「え？え？何が？」
紅が溜め息を吐き、呆れたようにこちらを見る。
え、本当に何？私、何かした？
「時間だよ。あのババァんとこの倅の見送りの飲み会、あと二十分で始まるぞ？」
「またまたぁ〜いくら夢中になったら時間を忘れるとはいえ、そんなに時間は経って…るんですけど！」
私は時計を見て慌てて立ち上がる。
ヤバい！外行きの着物着てない！部屋着なんだけど！
あと髪も縛ったままだし、いろいろヤバい！！
「ど、どど、どうしよ！紅！！着物は諦めるとしても、髪はヤバい！あぁっ跡になってる〜」
「いいから落ち着け。とにかく後ろ向け。」
「はい！」
私がさっと後ろを向くと、紅は軽く私の髪を櫛に通し、最近嵌まったのか緩く編み込みをしながら髪をサイドに纏めると、簪で留めた。
まさに早業。紅、本当に器用！
「A、さっき作った財布は持ったか？」
「はい！持ちました！」
「そうかァ。…………」
「？紅、急に黙ってどうしたの？早く行かないと、遅刻確定しちゃう！」
「……男気見せろ、か」
「ん？紅？何？何て言ったの？」
「何でもねェよ」
紅はすたすたとこちらに歩いてくると、私の背中と膝裏に手を入れ、軽々と抱き上げた。
あ、待って。何かこれ、デジャブ…。
そのまま紅は草履を履き、ついでに私の草履を指に引っかけると外に出て、纒に…待って。纏に、だけど！ちょっっっっと待って！！！
トラウマ再現！！
「いや、あの、紅！走って行けば良いと思うのですが！」
「あ？俺の纏には乗れねェってか？」
「いや、あの、前回のトラウマがですね…って！話聞いて！？ねぇ！」
「行くぞ」
紅はポツリと呟くと私を抱えたまま纏に立ち、そのまま空へと緩やかにカーブを描き、飛んだ。
前回に比べると、紅に抱えてもらっている分安定性があり、余り浮遊感も感じることもなく…あれですよ。快適です！
今なら町を見渡す余裕もありますよ！え、何この差。前回どれだけ酷かったのか…。
まぁ心に余裕が出来た分、紅との距離の近さに今度は心臓が煩くなったり…。
これは到着したら皆にからかわれるだろうな…とも思うけど、今は少しだけ役得と考え、流れる町の景色を楽しむことにした。
ちなみに、持参した財布はとても喜んでもらえました。
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颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
