火消し-4 ページ19
「A」
「…紅」
「此処に居たのか」
「……うん」
今日は月が綺麗だから…何と無く、ぼんやりと庭先で月を見ていた。
鎮魂後の事は…余り良く覚えていない。
久し振りの空間紋縫いを使用したからか、はたまた久し振りに鎮魂を見たからか…。
只、あの鎮魂後のどこか空元気をしているような空気が、私はとにかく苦手だった。
私を見付けた紅は、私の隣に座ると盃を渡してきた。
てっきり夕餉をすっぽかしたから怒りに来たのかと思えば違うらしい。
「あれ？その日本酒良いやつじゃない？どうしたの？」
「今日、町の連中から貰ったやつだよ」
「嗚呼。祝い酒がどうとかいう…」
「単なる早とちりだがなァ」
「早とちりなの？」
「早とちりだァ」
紅は気にすんな。と私の盃に並々と注いでいく。
待て待て！溢れる！！
私は慌てて盃に口をつけた。
強い酒精が喉を焼き、少し噎せ返る。
待て待て！これ、無茶苦茶強いじゃん！！
しかも辛い！
「…衣装は、喪服に変更か？」
「げほっ……うん。あの後、そう依頼を受け直したよ」
「そうかァ…」
紅はどこか遠くを見ながら空の盃を揺らしている。
注ごうかと思ったが、止めた。
私は盃に入ったお酒をチビチビと舐めるように飲んでいく。
夜風が髪を撫でていく。
そういえば髪を解いていなかったな、と思い、頭に手をやり簪を引き抜く。
はらりと髪が落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 358人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
