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姫宮家で催されたこの舞踏会には、他にもたくさんの貴族の家の方々が参加していた。
「気に入った。よしよし、今度の夏は姫宮桃李様のバカンスにお供してもいいんだぞー?」
テーブルで女性たちとお喋りを楽しんでいるのは、この舞踏会の主催である姫宮家の次期当主、姫宮桃李様。
この中では一番若く、今日が社交界のデビューらしい。少女のような見た目の彼は遠く王族の血を引いているそうだ。
「坊っちゃま、そのような言葉遣いはお控えください」
などと背後からお付きの執事に注意されている。
世界に愛を響き渡らせましょう。あなたの日々樹渉です……!
部屋の奥の方で女性をダンスに誘いに向かっているのが、宮廷道化師を名乗る日々樹渉様。
仮面舞踏会でもないのに仮面は欠かさないし、先ほどの食事の折には面白い手品を披露していた。
「さあお姉様、お手を拝借」
ドアのそばで数人の女性に話しかけられているのは鳴上家とも仲のよい朱桜家の嫡男、朱桜司様。歳は若く、言葉も動作も何もかも丁寧だ。
ああーもう、どいつもこいつも。ちょーウザいんだけど?
それから、壁際のソファーでくつろいでいらっしゃるのが、古くからの騎士の家の瀬名泉様。
眉をひそめた顔すら綺麗だ。頭のてっぺんから足の先までしなやかで、かえって不気味に思うほどに美しい。
今日の舞踏会はいつになく魔物が多いのう、と朔間零は苦笑した。
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さなえ(プロフ) - フラッペさん» コメントありがとうございます。お褒めに預かり光栄です。細かいところにこだわって書いてみました。 (2018年8月18日 16時) (レス) id: b33fb32224 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ - お話の内容が濃くて私的には面白い物語でした。こういう細かな文章が好きで、なんか一つ一つに感情がこもっているというか……まぁ、とにかく良い話でした。 (2018年8月16日 1時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さなえ@Love伊織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sanaeHome/
作成日時:2017年7月29日 16時