【マギ】ある少女の冒険２

第59夜 ページ17

「ねえ、バルバッドはまだかな？」





アラジンは待ちきれないと言った風に話しかけた





「その丘を下れば街が見えるよ」



「え〜みえないよ？」





そう言ってから、アラジンはシンが指した方向に向かって駆け出して行った


磯の香りが頰をかすめる




バルバッド…






丘から見渡しはバルバッドはとてもきれいに見えた





いろんな人種、文化が混じり合った独特な雰囲気の国




交易によって栄えた、大海洋国家






久しぶりに来た地に私は嬉しくなって微笑んだ









下に降りて、街並みを見ながら4人で歩いていく

活気ある中に、少しの仄暗さを感じ、辺りを見渡した



そして、『王政打破』とでかでかと書かれた壁を見つける









「先王が亡くなられてからは……国が乱れているようだね。」





シンの言葉が胸に刺さる



そうか、あの人は亡くなってしまったのか。


私は、悲しさを紛らわすように

賑やかな街並みを眺めた








そんな中、シンは明るく、わたし達に言う



「でもここなら安全だよ。俺もいつも泊まっている国一番の高級ホテル！」



国一番！


いや、シンは王様だからあるだろうけどっ！！




宿代……3人分も私あったかな？



ひーふーみーよ


私が心配して、お金を数えているとシンは言った



「宿代は俺が出そう。助けてもらった礼だ。お金は先にここに来ている
俺の部下が払うから…好きなだけここに泊まっていくといいよ。」



えっ




「ありがとぅ〜おじさんお金持ちなんだね〜！」


アラジンはすごい喜んでシンにお礼を言う


モルジアナもペコペコと頭を下げている


礼儀正しいなぁ




あ、もちろん私も頭を下げたよ！




「よかったねぇ！」



喜んでいるアラジン達と話してワイワイとしていると、

シンはホテルの中に、スタスタと入って行ってしまった






いや、シン…

その格好で入っていいのか？


知らないよ？



面白いことになりそうなので、私は黙ってシンを見送った




あ、警備の人に止められた



「ぷっ…」



やっぱりね




「ふふっ」



私が1人で静かに笑っていると、


見慣れた2人が、シンの方に近づいてきた





あ、




「シン様！」





あぁ！





「今までどこに行ってらっしゃったのですか？」




赤毛に特徴的な顔だちをした、大きい体の男性と




人の良さそうなそばかすのある、銀髪の男性がこちらに向かって歩いてきた

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