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−You Side−
「先輩もリボンつけてみてください! 絶対かわいいと思いますよ!」
「Amazing! 流石あんずさん、名案ですねぇ!」
わざわざ自分のつけていたリボンを解いてまで、はやくはやくと催促してくる彼女。
渉も波に乗っかってるし……。
こんな無駄話に付き合ってる暇なんてあるのかって思うけど、実際無くはないんだよね。
もうちょっと遅く来れば良かったな、なんて後悔。
___
「A先輩めっっっちゃ可愛いです!!!」
「あんずさんに負けず劣らずお似合いですねぇ♪」
仕方なくつけたけれど、あんずちゃんがオーバーリアクションすぎて流石に怖い。
だって泣きそうになりながらも光の速さで拍手してるんだよ??
「折角ですし、そのままプロデュースもしましょ!」
『えっやだ……』
「そんなぁ!!」
今度は違う意味で泣きそうな顔になるあんずちゃん。
普段ネクタイなのに、リボンつけてるとか物凄い違和感……。
女の子らしいものとか滅多に身につけないから、一刻でも早く外したいのに。
誰が言おうと、そんな無茶振りは相手に出来ない。
外しにくいなぁと思いつつもリボンに手をかけると、
突然、体が前方へ引っ張られる感じがした。
『……!?』
危うく倒れ込んでしまいそうになったけれど、咄嗟に右足が前に出た為バランスを崩すことは無かった。
視線を上げると、こちらに寄ってくる端麗な顔。
__英智も、“可愛らしい” と思ってくれるかもしれませんよ?
『……それ、ここまでして言うことだった? 渉』
顔が耳元から離れると、気が済んだように腕も離す渉。
「普通に言ってしまうより、少しでも工夫を足した方が面白いでしょう〜?
ちょっとしたスリルも味わえますからね♪」
『スリルも何もないっ。そりゃソッチは面白いだろうけど!』
どう反抗したって、フフンと満足気に笑う渉。
……絶対、それを伝える為に体ごと引き寄せたり、耳元で囁いたりする必要なんて無かった。
「とか言いつつ、そのような可能性を持ってしまえば “外す” なんてこと、出来ませんよね?」
『……まぁ。ほんとに英智くんが思ってくれるなら、だけど』
「それはやってみないと分からないのでっ!」
レッツトライです! と片腕を天井に向かって伸ばすあんずちゃん。
何でか、彼女が1番楽しそうなんだよね。。
「この人、英智の名前出せば何でもやってくれそうですよね」
『うるさ〜〜い』
.
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綺月(プロフ) - やっばいですキュンキュンしすぎて死にそうです (2021年10月24日 22時) (レス) @page44 id: 4b09ec865e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫水 | 作成日時:2020年7月26日 15時