貴様らとっくに両想いだからな！？[２]【天祥院英智】 (ページ6)

今日:27 hit、昨日:20 hit、合計:73,534 hit

_54 ページ6

－You Side－

『…えっと、図書室に行こうと思ってたの』

夢ノ咲学院に転入してから、定期的に図書室へ本を借りに行くようになった。

もちろん、玲明学園に図書室や図書館が無かったわけではなく……単純に、ゆっくり本を読めるような余裕は無に等しかったわけで。

すると転入後、新しい学校先とは言えど、転入前よりかは少しばかり余裕が生まれたため……プロデュースやその他諸々以外は、読書に費やすようになった。

「Library、だったのですね！

私も読書はよくします。自分の家に、古くから受け継がれてきた古書があるのですが……」

その途端、ぱあっと顔を綻ばせられる。

目を輝かせる彼を見て、私たちは甘い物だったり読書好きであったり……案外共通点が多かったのか、と笑みがこぼれた。

津々と言葉が出るのも束の間、“しまった”というような顔でハッとする朱桜くん。

いやあ、1年生ってこんなにも表情豊かで、可愛らしい生き物だっただろうか。

「度々すみません……神楽先輩と話していると、何故か気付いた時には脱線してしまうのです」

眉を軽く八の字にさせ、へにゃりと控えめな笑みをつくる彼。

流石の英智くんには負けるけれど……朱桜くんの可愛さは尋常じゃない。
……いや、これは比較して争うモノでもないな。

「＿＿というわけで、勝手ながらLessonが終わり次第、私が神楽先輩に付き添いすることに致しますね♪」

.