【カゲプロ】＿＿余命半年、『いつも』笑顔でいよう。

『初めてだよ。』 ページ30

「ッは…!?!ぇ…ぁ…だ…大丈夫!?!」

とたとたとマリーちゃんに駆け寄ろうとすると、テーブルの上にある紙が目に入る。

目を通すと買い物にいってくるので、マリーは内職を頑張るんだぞ、という事が書かれた書き置きの手紙があった。

"おかしい"。

いくらなんでもマリーちゃんを一人で置いていくなんて、信じられない。


＿＿＿＿＿＿いやいや。それどころじやないでしょ!!!


「マリーちゃん!!!」

ぐるりとタオルにうずくまっている、マリーちゃんに触れようとする。

「ひっ…!!!」

………が、ぱしっとはね返されてしまった。

「………………ぁ…。」

……【裏切られた】とはいえ、元仲間だったのに。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿で、も。



「大丈夫。大丈夫だから。」

そっとマリーちゃんを抱き締める。

「ひ…ぁ……!!嫌…いやあぁあぁ!!」

よほど怯えているのか、マリーちゃんはパニック状態におちていた。

マリーちゃんが、恐らく持っていたハサミを振り回す。

「ッ大丈夫だから…ね。ね?落ち着いて。」

左手の手の甲を切ってしまった。

ポタポタと血が滴り落ちるが、気にしない。今大切なのはマリーちゃんを恐怖から救うことだ。

「ッ………!!」

ひとまず落ち着いたポロポロと涙を流しながら、私の胸の中でも泣いていた。


＿＿＿それはくしくも、幼い子供のようだった。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿……。

あれから何十分たっただろうか。

聞こえて来る音もほとんどなくカラカラと、空き缶の転がる音が聞こえてきた。

「…うん。もう大丈夫だね。」

そっとマリーちゃんを離す。

そして近くにあった鞄を持って、自分の部屋に向かおうとした。


「……あの。」

すると、ぽつりとかわいらしい声が部屋に響く。

マリーちゃんから話しかけるのは珍しいので、少し緊張しながら振り向く。


「ぁ……ありがとう…ね。」

『めんどくさそう…？』→←『正解。』

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