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44.連絡先を交換する話 ページ46

「…A?」

「あっ」

誠士郎くんに名前を呼ばれて、私の意識は凛から離れる。
ボーッとしていた私を不思議がったのか誠士郎くんは首を傾げる。

「…えっー…と…連絡先…だったよね」

「うん。交換しよ」

ゴソゴソとポケットを探ってスマホを取り出す誠士郎くん。私は彼の行動に顔を俯かせる。

「……あの、ね。誠士郎くん」

「?なに?」

誠士郎くんはスマホを操作しながら、私の言葉に耳を傾ける。私はひとつ、深呼吸をしてから。

「……私、今メッセージアプリが…壊れてて。だから、連絡先は無理かなぁ……って」

出来るだけ彼を傷つけないよう、そう告げた。

「……そっか」

残念そうな顔をする誠士郎くんに罪悪感がわく。
…ごめんなさい。誠士郎くん。
私は凛が怖くて逃げてるだけ。私の大切で大好きな弟がこれ以上、壊れているところを見たくないから。

「…っ」

しょんもりとしている誠士郎くんを見て、冷や汗が垂れる。
……私、何やってるんだろう。私の勝手な事情で彼を傷つけて。凛を壊したくなくても、それによって誠士郎くんが傷ついてしまう。そんなの私の行動に意味が無いではないか。

「せ、誠士郎…くん」

「…なに」

少し機嫌が悪い誠士郎くんに彼を刺激しないようにそっと話しかける。

「メッセージアプリは使えない、けど…それ以外で連絡先を交換することって出来たりしない…かな」

そう尋ねると、誠士郎くんは目を見開いてすぐさま、スマホを操作した。

「……これ。このアプリって入れてる?」

誠士郎くんが私に見せてきたのは、あるゲームアプリのアイコン。少し前に流行ったゲームで私も友達に勧められていれていた。

「うんっ。いれてる」

首を縦にガンガン振る。
すると誠士郎くんは嬉しそうに口元を緩ませて、ゲームアプリを起動させた。

「……このアプリで連絡出来るの?」

彼のスマホを覗き込みながら問う。誠士郎くんはコクリと頷いた。

「うん。フレンドになれば、チャットできるから」

「…はい。これ、俺のプレイヤーID」

そう言って、誠士郎くんは数字が何桁も並んでいる画面を私に見せる。私はそれを素早く打ち込む。

「フレンド申請出来てる?」

「うん。出来てる」

誠士郎くんが満足そうに頷いたのを横目に私はこれからについて考える。
メッセージアプリじゃないからといって油断は出来ない。
凛にいつ見られるか分からないのだ。
警戒心をもって行動しよう。

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(プロフ) - もちうささん» もちうささん、コメントありがとうございます!これからもふたつのルートにご注目ください! (6月8日 19時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさ - 凛ルートと凪ルートがありますね!凛君推しなので結婚とか出来なくても事実婚なら出来ますね! (6月8日 13時) (レス) @page34 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» アルです!\(●°ω°●)/さん、コメントありがとうございます!凪は私的にも好きなキャラクターなのでどんどん活躍させていきたいと思っています! (5月28日 1時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
アルです!\(●°ω°●)/(プロフ) - そういえば糸師兄弟と凪は神奈川県出身だったなぁ…凪登場ありがとうございます! (5月28日 0時) (レス) @page17 id: f6a6e363df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年5月19日 12時

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