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｢すいません、今大丈夫でしたか？｣
『はい、大丈夫ですよ！』
電話越しに聞こえる声で、少し眉を下げた彼の顔が思い浮かぶ。
｢あのチーズケーキ、本当に美味しかったです！｣
元気いっぱいな声。
なんだろう私の失恋が少しは報われたような気がする。
『ふふ、ありがとうございます。
良かったです。
あの！私も折り畳み傘、ありがとうございました。
お返ししたいんですけど…、』
そう、あの日の折り畳み傘。
綺麗に干して玄関に置いてあるあの黒い折り畳み傘。
｢あぁ、｣
彼はそう言えば、というような声。
｢そのまま持ってて貰っても大丈夫ですけど…｣
『いやいや、さすがにお返しさせてください。』
｢じゃあ、明後日の19時頃、あのバス停で。｣
彼が少し笑っているのが声で分かった。
『分かりました。』
少しの沈黙が続く。
ん？これはもう切ってもいいのか？
そう思い1度携帯を耳から離して画面を見てみる。
｢あの、｣
携帯から彼の声が聞こえてきて急いで耳に携帯を当て直す。
｢あの日、泣いてましたけど…、
もう大丈夫ですか？
す、すみません。ちょっと心配、というか気になってったのでっ、｣
きっと彼はまた眉を下げてる。
『んー大丈夫、とは言えないですけど…。
まぁ、今はキズの回復中ですかね。』
｢キズ？｣
『失恋の、キズですかね。』
ちょっと笑ってみれば、小さく、あぁと気まずそうに言う声が聞こえる。
名前も知らない彼を相手に私は一体何を話しているんだろうと思いつつも、スラスラと言葉は出てくる。
『あの日、好きな人に渡そうと思ってたんです。
あのチーズケーキ。
でも、彼女が出来たって告白もしてないのに振られちゃって。』
｢そ、そうだったんですか？！
僕が食べてしまっても良かったんですか…｣
それなりに驚いたのか、かなり大きな声になっている。
『いや、逆に食べてもらって感謝してます。
美味しいって言ってくれて、私の失恋も少しは報われました！
それに、あの時助けてもらわなかったらずっと1人で雨の中泣いてたと思うし。』
｢なら良かった。｣
彼の声が穏やかな優しい声になる。
『って、すいません。なんか喋りすぎちゃいましたね。』
ついつい自分語りをしてしまった。
不思議なことに彼に話すと、少しずつキズの痛みが消えていくような気がする。
｢いえ、全然。
……それじゃあまた明後日。｣
『はい、おやすみなさい。』
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ケロちゃん。(プロフ) - きょんさん» こちらこそありがとうございます🥹嬉しいです߹~߹ (2022年6月11日 22時) (
レス) @page19 id: 6e1f997a93 (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - 最高すぎます。もうにやにやとまりません！！こんな物語我得でしかないです！！ありがとうございます (2022年6月11日 15時) (レス) @page19 id: 6d9e8baccd (このIDを非表示/違反報告)
ケロちゃん。(プロフ) - alone99さん» 嬉しいコメントありがとうございます( ⸝⸝⸝ᵕ ̫ ᵕ⸝⸝⸝ ) (2022年6月3日 19時) (レス) id: 6e1f997a93 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - もうすでにめちゃめちゃ好きな雰囲気のイマク出てきそうでワクワクです！応援してます！ (2022年6月3日 17時) (レス) @page4 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ケロちゃん。 | 作成日時：2022年6月3日 0時
