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38話 ページ42

ずっと、憎くてたまらない人がいる。

『今まで悪かったなぁ、A』

家に1枚だけあった写真のなかには、幸福そうに微笑む2人の姿があった。

『お前、俺に似ていないもんだから、俺の子じゃないのかと思って』

母と、母を殺した殺人鬼。

『じゃぁアイツ他に男なんていなかったのか。あんな風に殺すんじゃなかったなぁ』

床に飛び散る朱餡(しゅあん)色。

それは、母から流れ出たものだった。

『いや、良いか今更。それよりは嬉しいよ。お前、俺の娘だったんだなぁ』

私はただ、父の狂気に震えることしかできなかった。

『父さんそっくりだ。なぁA、良い子だ、愛してる』

それは、父と呼ぶのに相応しい人だったのか、今となってはもう分からない。

それからネストの人達が来て、私は児童養護施設に保護された。

後から聞いた話では、お父さんは逮捕されてすぐに自ら命を絶ったようだ。

それが5歳の幼い時の記憶であった。

「ねぇお父さん、なんでお母さんを殺したの?」

『それは何度も答えてやっただろ?俺はアイツを愛してた。世界で1番、俺がアイツを愛してたんだ。なぁ、分かるだろ?』

そんな声が脳内に聞こえた。

「うん、分かるよ。お父さん」

お父さんが私に、、、お母さんにしたことは、許されることじゃないけど、お父さんなりの愛し方なんだろう。

「でも、アンタは絶対許さない!!」

父を否定するように、吐き捨てた。

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タタリ(プロフ) - 鶯 御飴さん» ありがとうございます!私立は綺麗。中学より綺麗(当たり前)公立は後ろの机との間隔が狭かったけど、トイレが流すボタンあって驚いた。 (3月15日 8時) (レス) id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - タタリさん» ご卒業おめでとうございます。入試はどうでしたか? (3月15日 7時) (レス) @page49 id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 鶯 御飴さん» ありがとうございます!読んでみます!! (3月14日 22時) (レス) id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - タタリさん» あ、桜神から改名しました。これからこの名前なのでよろしくです。またコメントしますね。私の方もハンドレットノートの作品書きました。Sea angelの名探偵【ハンドレットノート】という題名です。時間があれば読んでくれると嬉しいです。 (3月14日 17時) (レス) id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - タタリさん» お久しぶりです!最近体調は大丈夫ですか?まだまだ寒い時期が続きそうですね。更新待ってますので頑張って下さい。 (3月14日 17時) (レス) id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タタリ | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2023年11月10日 2時

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