＃9 ページ10
そしてAは、ひと通り、法寺、滝沢、亜門と握手していく。
そして最後のアキラとの握手の番となった。
「よろしくお願いします」
彼女は手を差し出した。
「あぁ、【ここでも】よろしくな」
彼女は不敵な笑みを浮かべる。
Aはその変わらぬ様子に苦笑いする。
(やっぱりアキラさんはちょっと苦手…)
「おい真戸、ここでもってどういうことだ？」
アキラの言葉に疑問を抱いた滝沢がアキラにコソコソと聞く。
「さぁて、いきなりだけど会議始めるからねー」
だが、その篠原の声で会議が始まってしまった。盛り上がっていた、空気が一瞬にして落ちつく。
まさに鶴の一声だ。
アキラは滝沢と同じように、ひそひそ声で、
「後で言う」
と耳打ちした。
「じゃあ、まず“研究所”についてのことなんだけど…」
篠原は棒でホワイトボードを指さす。
そこには普通の家と何ら変わらない間取り図が貼られていた。
だが、相当部屋数が多いのでかなりの豪邸だということが分かる。
「研究所なのに、普通の家みたいですね」
Aは、そう率直に感想を述べた。
「うん、これは安久家、まぁ喰種被害者のお家でね」
安久という苗字に心当たりのある亜門は僅かに身を乗り出した。
｢で、研究所があるのは、その地下と考えられている。
この間取り図は、当時の建築会社に頼んで手に入れたものなんだけど、何故か地下なんてないの一点張りで…」
篠原はうーんと唸る。
上の間取り図があっても潜入にそこまで役に立たないからだ。
「秘密の地下室ですねぇ〜ワクワクします〜」
什造は資料で折り紙をしながら、そういった。
「おい折り紙…ホントそういうﾄｺだけ器用…
じゃなくて、当日の割振り発表するね」
篠原は強引に会議を推し進める。
「できたです」
什造は折り終えた鶴を隣のAの資料の上にスっと乗せる。
「おおキレイに折れてますね…！」
Aは声を抑えつつそう感想を言った。
「潜入は、私達と、亜門のペアで行う。法寺と滝沢は周囲の警備を頼むよ。例の組織が関わっていないとは限られないからね…」
篠原は怖い話を子供に語るのかのような声で言った。
滝沢の背筋がゾゾゾと粟立つ。
「はい、尽力します！」
その後、会議は近況報告となり、夜にAの歓迎会をやると決定して、終了した。
バラバラとそれぞれが席を立っていく。
「おい滝沢」
「あっ、おお」
アキラと滝沢は二人で食堂へ、法寺と亜門は馴染みの蕎麦屋へ。
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アリス - シロナとクロナって書いてありますけど、ナシロとクロナじゃないですか？?(・_・;? (2018年11月9日 16時) (
レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
YUUto1005 - 篠原さんの財布がー (2018年8月14日 9時) (携帯から) (レス) id: 9e44ee148d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイスゥ | 作成日時：2018年3月27日 12時
