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間違えて、人間の世界に、足を踏み入れたあの日から。
僕は【あの目】でみられるようになった。
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彼女が自己紹介を終えたあと、ぱちぱちとまだらな握手が起こった。
僕もぱちぱちと手を鳴らす。
「Aには、什造と私と組んでもらう。トリオってやつですな」
Aは僕に向かってぺこりと腰を折った。
「よろしくです、Aチャン」
僕は、彼女に手を差し出す。
篠原さんと最初に出会った時に、彼にそうされたからか、いつの間にかその動作は彼の癖になっていた。
「よろしくお願いします、鈴屋二等」
Aは、什造の手を包みこむようにして、握手する。
あれ…?
什造は首を傾げた。
「手おっきいんですね〜!羨ましいです〜」
彼女の顔は一瞬歪んだ。
だがすぐにもちなおす。
「よく言われるんです。クインケが持ちやすいので便利ですよォ」
Aは什造に向けて手をヒラヒラと振ってみせた。
__たぶんウソですね
まわりの捜査官は笑っていたが、什造は敏感に気づいていた。
人に対して、疑問を抱いたあの日から、什造は人の些細な変化によく気づくようになった。
僕を一目みると、だいたいの人間は【あの目】をする。
しかし、僕と初めて目を合わした時の彼女の目は、あまりに普通な目だった。
あれ?
什造は首を傾げる。
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アリス - シロナとクロナって書いてありますけど、ナシロとクロナじゃないですか??(・_・;? (2018年11月9日 16時) (レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
YUUto1005 - 篠原さんの財布がー (2018年8月14日 9時) (携帯から) (レス) id: 9e44ee148d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイスゥ | 作成日時:2018年3月27日 12時