異端児くんと真面目ちゃん！

＃4 ページ5

「「新人??」」

綺麗に滝沢と亜門の声がハモった。

「なんだ、聞いてなかったのか」

アキラは淡々と続ける。

「まぁ、アイツと関わりがあるのはここじゃ私だけだからな」

「アキラと同じ班だったのか？」

亜門が間髪入れず、質問する。

「まあな」

亜門と滝沢はまたもや顔を見合わせる。

「ってことは有馬班ってことかー！いいなぁ、有馬さんと仕事が出来てたなんて！」

「羨ましい限りだ」

亜門も同感のようだ。

「てっきり、彼女は有馬特等のお気に入りだと思っていたが…」

言っちゃ悪いが、何かやらかしたのか？

かなり季節はずれの転勤だ。

「何ボソボソ言ってんだよ、真戸」

アキラははっと我に帰る。
なんというか、思考の沼にザブザブと入っていってしまっていたようだ。

「何でもない。君に話す義務もないしな」

トドメを刺すかのように付け加えた言葉が聞いたようだ。

「うッ」
滝沢は一瞬仰け反るようなポーズをとる。

だが、すぐに体勢を戻しこういった。

「この冷血女あ！」

「全く…」

(言うと思ったよ)

その後、しばらく無視していたからか、諦めたように彼は席へと戻っていく。

その後ろ姿はアカデミー時代と変わらない。

「…」

「滝沢」

呼びかけるとまだ彼は不機嫌そうなむっつりとした顔をしていた。

「なんだよ」

「…何でもないよ」

いつかこの気持ちを言葉にすることは出来るのだろうか。

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