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#24 ページ25

CCGを出て、綺麗に舗装された、川沿いの道を歩いていく。

空は澄みきっていて、水面がきらきらと光を反射していた。

「あっ、なんかいるです」
什造がコンクリートの上にしゃがみこむ。

「どうしたの?」

什造は、器用に【それ】を掴むと、手を伸ばしてAにみせた。

「見てください!!」

「う…」

Aの顔が、一瞬でひきつる。
什造の指先には、黒くて丸っこいものが、ポツンとあった。

そう、ダンゴムシである。
「こらこらいじめない…」

篠原が、什造の手を覗きこんで言った。

「戻るとき足がうじゃうじゃしてて、可愛いですよー」

「そのうじゃうじゃが苦手なの!Gの方がマシ!」

動揺しているのか、Aの敬語がとれてしまっている。

「はいはい〜」

什造は篠原とともに、ダンゴムシを木の下に返してきたようだった。

「さぁ、とっとと行くよ!」
篠原が進行方向を指さす。まだまだ、川は続いている。

というか、局を出てから五分くらいしか経っていなかったのである。

「そういえばお腹ペコペコでした…」
什造はお腹をおさえ、急に元気をなくした。

「自分のせいじゃないですか!」
Aは、ダンゴムシのせいか、まだまだプンプンとしていた。

そうやって、わちゃわちゃと話しながら歩いていくと、曲がるべき交差点が見えた。

「あそこを曲がって、3分位で着くからね。くれぐれも店では、大人しくしているように」

「ほーい」

什造がビシッと手を挙げた。

曲がると、そこは、閑静な住宅街だった。
都会的な建物もちらほらあるが、人が少なく、暮らしやすそうな雰囲気だ。

「A」

篠原が、Aに耳打ちする。

「もしかしたら、本当にもしかしたらなんだけど、戦う準備はしておいて」

「…はい」

篠原と同じように、Aもヒソヒソ声でかえす。

そうだ、これは捜査だったんだ。

「ここですかー?」

そこは、建物の隙間を縫うかのように、ひっそりと位置していた。

ランプのような形の、モダンな看板には、【あんていく】と書かれている。

「間違いないですね」

「じゃ、さぁ行こか…」

今度は、篠原が先頭になり、彼がドアをぐっと引いた。

乾いた鼻腔に、コーヒーの芳醇な香りが流れ込む。

その匂いに、素直に、いい香りだと感じた。

_________

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設定タグ:東京喰種 , 鈴屋什造 , 有馬貴将   
作品ジャンル:アニメ
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アリス - シロナとクロナって書いてありますけど、ナシロとクロナじゃないですか??(・_・;? (2018年11月9日 16時) (レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
YUUto1005 - 篠原さんの財布がー (2018年8月14日 9時) (携帯から) (レス) id: 9e44ee148d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイスゥ | 作成日時:2018年3月27日 12時

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