＃14 ページ15
1区____CCG本部
篠原は、本部の資料室に足を運んでいた。
そこは、さながら図書館のようであり、かなり古いものや、最近のものまであらゆる資料が揃っていた。
各区に分かれて資料が陳列されており、喰種にこれがCCGの情報量だと自慢したくなる。
篠原は、初めに、20区の棚に足を運ぶ。
そして、大喰いに関する資料を探す。【彼女】に関する資料はかなりの数にのぼっている。
(それにしても食べ過ぎじゃないか、これ)
１週間に三体死体を捕食しているなんてことがざらにあった。
流石に喰種でもそれでは、お腹一杯になってしまうだろう。
相当運動量の多い喰種なのか？
そもそもこれだけ喰っておいて、同族からの襲撃はなかったのか？
大喰いの捕食量は、グラフを見ても明らかに上がり続けていた。
…もしかしたら、共喰いもしていたのかもしれない。
「うーん…」
篠原は、天井を仰ぐ。
彼女については、調べれば調べる程謎が深まっていく。
ヒトを喰った痕跡を、まるで捜査官を挑発するかのように残していく割に、服、靴の跡などの個人を特定するのに必要な情報については、【一切】判明していない。
さらに、捕食量に関しては、犯行が分かっている喰種の中ではトップクラスだろう。
なのに、確保するために必要な人員が割かれない。
…何か、とてつもなく大きな力が、喰種である彼女を庇っているような気さえする。
「新聞も漁ってみるか…」
新聞には、喰種の犯罪が、人間の犯罪と処理され、載ってしまっていることがたまにある。
見分けるのは至難の業だが。
「どっこらしょい」
はぁ、とため息をつき、篠原は立ち上がる。
加納の件、アオギリ、大喰い。
解決しなければならない問題は山積みだ。
「忙しくなりそうだな…」
家族とも当分ゆっくりできなそうだ。
重い資料をかき集め、元の場所に戻していく。
ちなみに、戻す場所は厳格に決められている。
未来の捜査官の為に、だ。
そう自分が学生だった時、教官によく言われていた。
もう、その時の“教官”はほとんどこの世にいないけれども。
___自分が使い捨てだなんてことはもう十分に承知している。
新しい才能が、何よりも若さが、老いた自分たちを淘汰し、追越してゆく。
その希望の光を絶やさぬように、我々おじさんは、日々身を粉にして働いているのだ。
たとえ小さな灯火でも、守りきれたらそれは立派な功績だろう。
失ってばかりのこの世界で、私はそう、信じている。
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アリス - シロナとクロナって書いてありますけど、ナシロとクロナじゃないですか？?(・_・;? (2018年11月9日 16時) (
レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
YUUto1005 - 篠原さんの財布がー (2018年8月14日 9時) (携帯から) (レス) id: 9e44ee148d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイスゥ | 作成日時：2018年3月27日 12時
