見る阿呆 ページ36
中也side
俺は、お節介タコとAの会話を、教室の壁越しに聞いて居た。
何となく落ち着かなくて、煙草をくわえて火をつける。煙を吸い込むと同時に、Aの声が耳に届いた。
『殺せんせー。私、彼の弁当がもう食べられないかも知れない・・・』
彼、と云うのは恐らく俺の事だろう。彼奴が誰かの手作り弁当を食って居るのは見た事が無い。
「・・・弁当位幾らでも作って遣るのによ・・・」
口の中だけで呟くと、「なあに盗聴してるの、ナカハラ」と呆れた様な声がした。
「うるせっ、ビッチ!バレるだろうが!」
押し殺した声で叫ぶと、ビッチは「ハイハイ」と面倒臭げに答えた。
タコとAの会話は
『嫌われた、んです。カルマ君と色々あって、其のせいで嫌われた』
・・・は?
待てよ此奴滅茶苦茶な誤解してやがるぞ。
俺が断腸の思いで取った冷たい態度を、嫌われたと勘違いしてんのか?
俺の(恐らく)間抜け面を見たビッチが、「・・・フッ」と笑ったが、其れすら割と如何でも良い。
って云うか、赤羽との色々って・・・真逆彼のカフェでの事か?彼奴、俺がそんな事ずっと気にしてると思ってんのか?
重大な誤解に愕然とするが、俺にとっちゃ此処からが本当の試練だった。
『“兄妹みたいで”大好きな関係だったのに・・・』
・・・兄妹・・・
そうかそうか、Aは俺の事、兄貴的存在としか見てなかったって事かよ・・・
俺ばっかし意識して騒いでたって事か・・・糞ダサすぎるだろ・・・
・・・駄目だ。上を向こう。涙が零れない様に←
「あらあら、私、失恋の瞬間に立ち会っちゃった?」
面白そうに笑うビッチに突っ込む気すら最早しない。
「でもねナカハラ。あのタコ、アンタにちゃんと抜け道を用意してくれたみたいよ?」
何だよ其れ、と聞こうとすると、「細かい事は直接言いなさい、男でしょ?」という台詞とともに背中を強く押された。
其の時。
教室から出てきたAと、視線がぶつかった。
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☆天香☆ - ちゆき♪☆さん» 確認しましたが、確かに「ベイビー」でした!ボカロ好き故にドヤ顔で使ったのですが、間違えていたと知りお恥ずかしいです・・・修正させて頂きました、申し訳ありません!ご指摘ありがとうございました! (2019年12月1日 20時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
ちゆき♪☆ - 18ページのロキの歌詞、ベイベーではなくベイビーでは?間違っていたらすいません。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 61c2bf0dba (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 梓季さん» 俺自身もあそこは非常に楽しく書かせて頂いたところですww同じく楽しんで下さった方がいて嬉しいです!学校始まったので頻度落ちると思いますが更新頑張ります! (2019年8月29日 19時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
梓季(プロフ) - 中也もカルマも大好きなので2人が喧嘩してるのが想像出来すぎてニヤニヤしてしまいます( ̄∇ ̄)これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年8月28日 20時) (レス) id: ae84a91129 (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 西園寺氷空音さん» か、感激です・・・!本当に嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張りますね! (2019年8月23日 13時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時:2019年8月1日 14時