【文スト×暗殺教室】転校生はマフィアの潜入捜査官でした。

そして通じ合う莫迦ども ページ37

Aside


教室から外に出た途端、中原幹部が弾かれた様に飛び出して来た。



・・・ん?待て、此の人、先刻迄の会話、全部聞いてたのかな・・・?



だとしたら拙い。マジで拙すぎる。



『あ・・・えっと、幹部・・・如何しました?』



云った後で、つい敬語に成って仕舞ったと気付き息を飲むも、何時の間にか周りには誰も居なくなっていた。



其の事に一応は胸を撫で下ろすが、自分の台詞の白々しさに冷や汗が出る。




ほら幹部ずっと沈黙してるし、気まず過ぎるよ此のシチュ。



『・・・単刀直入に聞くんですが・・・先刻の殺せんせーとの会話、聞いてましたか?』



幹部は矢張り気まずそうに、煙草の煙を吐いてから云った。



「・・・嗚呼」



何となく二人とも黙って目を逸らし合う。



『・・・そう云えば、学校内って禁煙でしたよ、確か』



沈黙に耐え兼ね如何でもいい事を呟くと、幹部は「あ、そうか」と呟いて煙草の火を踏み消した。



何故か微妙な空気が場を満たす。然し、直ぐに幹部が口を開いた。



「・・・別に、弁当位何時でも作って遣るよ、頼まれりゃ」



『・・・はい?』



思わず怪訝そうな表情で呟くと、幹部は急に顔を真っ赤にした。



「なっ・・・だから、弁当位頼まれりゃ作って遣るって・・・なんか文句あるかよ」



『勿論無いです、有りません、けど・・・怒って無かったんですね』



思わずほっとした口調に成ったが、其れも致し方無い。



「怒ってなんかねえよ、元々」



ぶっきらぼうに云った幹部の言葉で、場は収まりかける。だけど私にも、少しばかり気になる事があった。



『あの、じゃあ何で、今朝から冷たくして・・・』



そうだ、怒って無いんなら、何であんな冷ややかな態度を・・・否、もう如何でもいいんだけど。



けれど、幹部は意外な言葉を伝えた。



「其れは、駆け引き?つうか、何ていうか・・・あのな・・・」



『?』



・・・あれ、何云ってんだ、此の人?私はつい首を傾げる。



「要するに・・・か、」



『・・・か?』



私が復唱すると、幹部は真っ直ぐに私の目を見た。






「風間A。手前が好きだ」

矢っ張り裏から操る男→←見る阿呆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す