モブはとことん当て馬にされる ページ31
@無一郎
新神戸に到着してAを起こすと、僕の肩を枕にしていた自分に照れて、二人でぬくぬくと包まっていたマフラーに照れて、兄さんに見えないところでずっと手を繋いでたことに照れたあと、シンプルに僕の顔を見て照れていた。
正直、満足すぎてもう帰りたくなったけどそういう訳にもいかない。
神戸は港町だけあって活気のある街で、観光名所にもなっているレトロな街並み。
ここから僕たちは高速バスに乗って…島に上陸する。
『神戸って、変わった形の建物多いね！』
「あれは異人館だよ。大正時代に建てられた西洋風の建物。昔々あるところで寄り添った霞柱と継子の思い出の時代の…」
「うんうん、お前たちと大正浪漫を感じられるなんて、来てよかったなー俺。まぁこんな平穏も今だけで、すぐバスで淡路島だけど。」
「…兄さん。地獄が始まるみたいな言い方。」
「地獄というか正念場というか。昼ドラだな。」
目をキラキラさせてはしゃぎかけたAがあからさまに表情を曇らせた。
…兄さんが言うことはいつも概ね正しいけれど、手加減してあげてほしい。
ちなみに、Aをバスセンターまで車で迎えに来るらしかった男の申し出は断らせた。
自分で話をつけて交際を解消すると言うのだから、僕の目が届くところでならAの気持ちは尊重してあげたいけど、男と車で二人きりにはさせられない。
「…A、そんな顔しないで。ホテルでは僕たちずっと居るし。行こう、淡路島行きのバスに。」
緊張した面持ちのAのほっぺたをぐにぐにと潰してみれば、変な声を出してはにかんでいる。
…Aは、自分を騙していた男と別れるということにはかなり前向きだけど、僕とまたよりを戻したいとかはっきりした意思表示をしてくれない。
まだ安心して僕のことを好きだと言えないなら…罪悪感や後悔で、まだ僕に気を遣っているのなら…
大人になった僕の愛で、包み込むだけ！(どーん♡)
間男の目論見があるようならば僕がスマートに解決するし、なければスマートに縁を切らせる。
→つづく
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まちゃむんインフルエンザなってました。
なるときは簡単になるんでお気を付けて🥺
はあー天才絵師たちの辰年の時透兄弟イラストが
もう楽しみ(っ´ω`c)
竜神モチーフとか描いてくれる人いるのかな？(性癖)
皆様良いお年をお迎えください☘️
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作者名：まちゃむん | 作成日時：2023年11月21日 19時
