無一郎くん夢小説あるある【短編集】 (ページ19)

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他の柱と話しているだけで妬くページ19

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まずいことになった。

誰なの、〝今晩あなたの髪が乱れるほど愛し合いたい〟とかいうとんでもない意味を簪に付与したのは。

けらけらと笑う蟲柱と、今後は贈り物には気をつけろ？とほくそ笑む水柱に反撃され、唇を噛んだ。

ぐぬぬ、この二人は優位に立つと全力で煽ってくる。
(↑人のこと言えない)
心を落ち着けるために一人外ヘ出て、藤の花を見つめた。

ここで問題なのは、時透が隠された意味とやらを知っているか否かである。

いや、でも純粋に喜んでたよね？
そもそも女性が贈られた時の意味深長だし、考えすぎかもしれないし、いやはや…(うだうだ)

「Aさん。何考えてるの？」

『わ！検診終わったんだ。何でいちいち気配消して近づいてくるのかね君は…』

「面白いからだし。ねぇ、これ。Aさんにあげる。」

いつの間に背後を取っていた時透が掲げるモノ。

私たちの周りに垂れ降りる花びらが鏡面に反射していて、藤の花柄のように見えて、さっきしのぶが受け取っていた美しい装飾を思い出す。

『…その形はもしかしてさ、』

「うん？口紅だけど。Aさんが贈り物してくれて僕、嬉しくて自分が買ったもの渡すの忘れてた。」

時透もあの店で買ってくれてたの？あろうことか口紅を？

…これを贈る行為に含蓄される言葉が頭を過ぎる。

受け取っていいものかと迷う気持ちとともに、こんなに普通の手土産のように渡してくるので、私が意識しすぎてるだけかも。と希望も見えてくる。

「…何で黙ってるの。嬉しくない？」

『あ、いや、嬉しい。ありがとう…簪、嬉しかった？』

「湯あみの時用でしょ？嬉しいよ、ありがとう。Aさんの湯あみ用の簪も今度選んであげるね。とりあえずこれ、塗って見せて。」

『(やっぱり、知らないっぽい。良かった。)』

ほっと胸を撫で下ろしていれば、徐に容器の蓋を開けて、がしりと私の肩を掴んで薄桃色の紅を差し出してくる。

有無を言わさないといった圧を感じる笑顔でゆらりと近づいてくるので、分かったよ…と受け取って唇に塗ってみせた。

『ん…どう？』

「…かわいい。吸い付きたい。」

『(知らなくても着地点はおなじなんだ)』

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※時透くんは贈り物の意味を知ってて遊んでます。

やきもちあるある入りの贈り物あるあるオチでした🍀