清水の雫【マギ】

運命の糸,5 ページ5

◦゜。°◎○



『あのユナン様』


ﾕﾅﾝ「なんだい？」


『ユナン様は妖精の覇者で
　いらっしゃるのですよね』



やっと年層相応な雰囲気になった
大人びていた雰囲気がガラリと変わる

興味津々という感じが目から伝わってきた



ﾕﾅﾝ「あはは、君の国ではそうなのかな」


『東部では魔法は
　奇跡であると信じられきました
　でも私は違うと思うのです
　現に今各地に迷宮というものが出現しております

　魔法を軽んじた考えを改め
　改革をおこなっていかないと
　この国はいずれ他国に呑み込まれるでしょう

　妖精の覇者直々に
　魔法をお教え願いたいのです
　これ以上遅れを取るわけにはいかないのです』



熱弁に喋ったこの子は、真剣そのもので

でも時空のバグそのものの僕から
というのは発展を、邪魔していくことになる
だから教える事はできない



ﾕﾅﾝ「ごめんね
　 僕はバグみたいな存在
　 扱い方を間違えれば世界の構築を
　 崩しかねない」


『お願い申し上げます
　知識をお裾分け願います』



断って尚も挫けなかった
この子はなんの為にお願いしているのだろう
“大義”の為？
“名誉”の為？



『わたくしは知らなければならないのです
　魔法の仕組みを、
　不思議を知らなければならないのです

　力をお貸しください、マギ様』



何かに備えて
何かあるかもしれないという予感を
この子は捉えているのかもしれない

この子は王の器かもしれない

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