清水の雫【マギ】

運命の糸,2 ページ2

◯゜。◎◦



幾度となく繰り返す
千年余り
自分で“王”を選び
その国は発展していきやがて滅ぶ
何度も見てきた
諦めたのはいつ頃だったか
確か三、四度目の人生だった

諦めていたはずなのに
王を、また選んでしまった

今度は出来るかもしれない
永遠と続く平和をもたらせるかもしれない
そんな淡い期待はいつまで続くのだろう



ﾕﾅﾝ「はっ！？は、はぁ、」



嫌な夢に飛び起きるように目を覚ます
またいやな夢を見てしまった
こんな自虐見ているだけで
何かになるわけでもないのにさ

そういえば何してたんだっけ
迷宮(ダンジョン)を出してまわってたところまでは
はっきりと覚えている

あの後、お腹が空いて
純帝国を見つけたところはうやむやだけど合っている筈

一番近しい推測は
ここが純帝国かもしれないということ
そこまでしか分からなかった
ここに今、寝かされている経緯も
親切にさせてもらっている経緯も分からない

純帝国か、とっても懐かしいよ
二度目の人生のことだったかな
純帝国第一代皇帝 紡 聖嶺(ほう せいれい)

僕の意志を強く受け継いでくれて
七百年余りずっとここの国は変わらなかった

ずっと平和な国って感じでは
なかったけれど

“国のことは国民で考えて生きていく”

人と人はぶつかり合いながら流されながらも
一つ一つ積み上げてゆく
そんな風習が強く根付いている国だった筈だ
何度壊されようと、進む力は強かった

しみじみと思いながら部屋を見渡した
壁の装飾やサイドテーブルの装飾は
とても豪華で派手やかだ
そのベットも豪華なものだ

もしかしなくとも、王族か貴族に拾われたかもしれない

そんなことを思い、溜息をつく

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