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総統秘書というのは存外忙しい。
わかってはいたが、仕事に慣れてくると改めてそう感じるようになった。
増える書類、各国からの打診、軍内の整備、報告のまとめ。
グルッペンの元にくる仕事は全て把握し、彼の業務状況から健康状態までサポートする。
外交官時代とはまた違う忙しさだ。
これを自身の仕事と並行して行っていたトントンは本当に尊敬に値する。
「A秘書官、先日の軍備の申請についてなのですが」
『今トントンさんと兄さんの方で調整中です。その後総統の元にいくと思いますが、恐らくすぐ許可は下りると思うのである程度の置き場作りと基礎知識くらいは浸透させておいてください』
「了解です」
「A秘書官殿、こちら本日届いた総統閣下宛の書状なのですが…」
『私の方で預かります、…ああ、この差出人の物は今後は処分しておいてください。ただの嫌がらせなので』
「は、はい…！」
「A様、コネシマ様からお渡しするようにと預かってきました！」
『どうも。……はあ。これ、代わりに渡しておいてもらえる？』
「(“次やったら煙草処分します”、かあ…)」
「A様、総統閣下へのお茶菓子はいかがいたしましょう」
『今日は機嫌悪いからいつもより種類を増やして。この前のマカロンまだある？あれ気に入ってたからあったら多めでよろしく』
「かしこまりました」
「すっかり板についてきたなぁ」
呑気に言ってのけたのは目の前に座るシャオロン。
談話室で束の間の休憩をしている所に現れた彼はAの様子をそう表現した。
実際この一、二ヶ月程で周囲の風当たりは大きく変化した。
ただの好機の視線は減り、総統秘書として扱う人間が増えてきたのはAとしても喜ばしい。
ふとシャオロンが不思議そうに首を傾げる。
「なあ、ずっと気になっとったんやけど、何でジャケットとネクタイはせんの？あと手袋」
本日の服装は黒のスカートとボタン部分に控えめのフリルの付いたシャツ。
もらった軍服を着てはいるものの、シャオロンの言うアイテムは初めの何日かしか着けていない。
あの格好が総統秘書を印象付けたのに、と続ける彼にAは静かに視線を逸らす。
『着づらいので』
「似合ってたで？…ああでも二人並ぶとなんかペアルック感が、」
『だからです』
スパッと告げたAにシャオロンの笑い声が響く。
せやな、それは確かに嫌よな！と大口を開けて笑い飛ばす彼にAは肯定も否定もせずため息を吐いた。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
