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「この先か？」
「確かな。…ほんま目立たんようにしてくれよ」
「わかっている。だが万が一見つかってもいいだろう、些末なことだ」
「全然よくないんですけどねぇ…！」
アステールの街を歩く男が二人。
帽子やマスクなどいつもと違う装いだが、彼らはとある国のトップ２だ。
しかし今はコソコソと、怪しまれない程度に人の目を避けて目的地へと向かう。
街の中心地から少し離れた閑静な地に立つ一軒の家の前で男の一人が静かに戸をノックした。
『はい、どちら様で、……！？』
「久しぶりだな、A」
『…これはこれは、我々のグルッペン総統閣下とトントン書記長殿ではありませんか。ご無沙汰しております。その節は大変お世話になりました』
中から出てきたAは一瞬驚いたように目を見開いたがすぐに綺麗な礼をする。
しかし以前よりも堅苦しくなった態度にグルッペンは眉を寄せた。
「…以前と同じようにしてくれ、呼び方もだ」
『私は現在ただの一般人にすぎませんので、恐れ多いです』
「Aさん…」
『アステールにようこそいらっしゃいました。大したおもてなしはできませんが、こんな所でよければお上がり下さい。それともお忙しいお二人ですから早急にご用件をお伺いした方がよろしいですか？』
「…いや、迷惑でなければ上がらせてもらおう」
一つ息を吐いて家に入るグルッペンにトントンも続く。
案内された居間の机の上にはいくつかの手紙が置かれており、Aは彼らを座らせた後すぐにそれらをかき集めた。
『散らかしていて申し訳ございません。すぐにお茶をご用意致しますね』
「Aさん、それは…？」
『お世話になった国の方々からいただいた物です。退官後も気にかけて下さる方がいるというのは大変ありがたいことですね』
笑顔でそう言うAだがその笑顔に覇気はない。
すぐに茶を入れに向かった彼女の背中は以前よりも華奢に見え、トントンはかける言葉を失った。
『お待たせいたしました。お口に合うといいのですが』
出された紅茶を飲む、悪くない。
しかしグルッペンは眉を寄せてAを見上げる。
「Aも座れ。それと態度も戻せ、我々に気を遣うな」
『ですが、「いいから」
『…わかりました。多少の失礼はお許しいただけますか？』
「もちろんだ」
グルッペンの向かい側に腰を下ろして一つ息を吐く。
『何故自国で他国の方の命を聞かなければならないのでしょうね』
「命令のつもりはなかったが？」
『私にはそう聞こえました』
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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます！ (2019年5月10日 23時) (
レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです！ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…！？まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…！お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年5月24日 22時
