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「こんにちは、サマーライブ以来だね」
「わぁ、お久しぶりですね〜！」
「……ちわッス」
「サマーライブでは、お世話になりました」
青葉くん、あんずちゃんはいつも通りの調子。
けれど、衣更くんは何処か元気がない。
それにTrickstarは、オータムライブに向けて秀越でレッスンをしている筈なのに……
あ、そう言えば。昨日乱くんが彼と接触したって言ってたな。
「……私、何か彼に悪い事言っちゃったかな？」と自分の発言を気にしていた素振りだったし。
(……成程)
「昨日、乱くんに何か言われたでしょ」
何でそれを？、と言いたげな顔で私を見てきた衣更くんとあんずちゃん。
何故かは敢えて言わず、私は衣更くんの正面に腰掛け、彼を真っ直ぐに見た。
「ごめんね。でも、悪気があるわけじゃないから許して。何を言われたかも何となく分かる。アイドルとして活躍する衣更くんが落ち込む理由、才能以外にないからね」
芸能界にいる人達は、才能を持った人達の集まりだ。
でも、人一倍グンと抜いて才能がないと、すぐに周りから自分以上の人間が生まれ這い上がってくる。
苦労して築き上げたものも、その瞬間踏み潰されてパーになるのだ。
「平均以上出来る人なんて、この業界見渡せばゴロゴロ転がっている。自分の代わりはいくらでもいる」
衣更くんの顔は、一気に暗くなり視線を私から逸らす。
辛いよね。芸能界を自分より知っている人から、こんな事言われるのは。
「お、俺は……」
「でもね、平均以上しか出来ない人間が天才以上に出来る事も、私はあると思ってる」
天才よりも、平均以上の方が視野が広かったりする。
天才が知っている暗い部分を、平均以上は知らない。
衣更くんが置かれているのは、天才の集まりに平均以上が1人。
誰かが天才であるが故に利用されたりした時に、彼が……彼だけが支えられる部分が絶対表れると思うのだ。
「大丈夫。”平均以上で良かった”って思える時が、いつか来る。きっとね」
そう言った後にふと我に返ると、キザな事を言ってしまったと羞恥心が込み上げてきた。よし逃げよう。
「日和くん退いて。これから作曲するから」
「また立つんだったら座る必要なかったよね！？」
「チーズケーキ食べたい。え、日和くん奢ってくれるの？」
「うんうん、そんな事言ってないね！でもAちゃんだし言われなくても奢るね！」
……ありがたいけど、煩いな。
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リア(プロフ) - 最高に面白いです！日和が可愛すぎる！！！更新楽しみに待っています(^^) (2020年1月24日 17時) (
レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 凄く私好きな話だと思います！滅茶苦茶好きになりました！！更新待ってます。頑張ってください！！ (2020年1月23日 6時) (レス) id: 1d868b34d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水神友花 | 作成日時：2020年1月19日 12時
