目と目があえば恋に落ちる【あんスタ】

24.低血圧が世界一似合うね ページ24

翌朝、目が覚めたと同時に、昨日のやりとりが夢ではなかったかとスマホのアルバムを開いてスクショを一枚一枚確認する。昨日のうちに、乱さんとのLINEをスクショしてお気に入りフォルダにしまっておいたのだ。家宝にするんだ。えへへ。

そんなこんな今朝の私は珍しく元気で、部屋を出て合流した日和くんには、恐らく悪気なく「今日のAちゃん、喧しい上にニコニコし過ぎてちょっとキモいね！」などと普通に暴言を吐かれた。
まぁ推しパワーだから仕方ないよね！とルンルンで朝食をとっていたのだが、普通に考えて君の方が煩いよね？食べるか喋るかどっちかにしてくれ。

ちなみに漣くんは合流した時より更に顔がしんでいた。
低血圧という言葉がよく似合うね君。



「あ、今日も僕は北斗くんを見るからね！残りの子は二人に任せるね！」

口いっぱいに含んだキッシュを飲み込んだ日和くんが突如そう言った。
…朝から練習の話をするなんてかなり珍しい。何やかんやと文句を言いつつ、あの子達のことは結構気に入ってるんだろう。

ついつい揶揄いたくなって、「日和くん、意外とあの子達のこと好きでしょ」なんて言ってみれば、彼は一瞬固まった後ら「全く持ってそんなことはないね！あの子、素質はあるのに教え甲斐がないからね！」なんてニコニコで反論された。

本当に素直じゃないなぁ、なんて思いながらパンを一つ取る。いいホテルってパンとバターだけでも充分頂けていいね。パン美味しい。


「まぁ昨日同様漣くんには遊木くんを任せて……って漣くん？さっきから黙ってるけど起きてる？」

隣を見れば、目を瞑りこくこくと揺れている漣くん。
どうやら昨日は、ちょっとばかし夜ふかしをしたらしい。

…いやしかし、昨日の夕食後、漣くんが「すぐ寝ますからねおひいさん〜」とか言ってたのを聞いているし、その原因が主に日和くんであることは間違いないだろう。

ちょいちょいと漣くんの腕を突けば、彼はゆっくりと目を開く。



「ねむい…」
「見りゃわかるけども」

彼はこくりこくりと首を揺らし、最終的には私の肩に寄りかかる形で夢の世界へと行ってしまった。

う〜ん、首に髪の毛があたってこそばゆい…

日和くんが喧しくなる気配を察知し、「しっ」と人差し指を立てて黙らせる。
君のせいでもあるんだから、寝かせてあげなさい。


( …というかまぁ、こういう漣くんは珍しいしねぇ )


ちょっとした記念にと、綺麗な顔でスヤスヤと寝息を立てる漣くんの写真を撮っておく。
…黙ってればかっこいいのにねぇ？

昨日のお返し(？)に、後で七種くんに送っちゃお。

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