彼女は小悪魔 ページ3
「おはよう今日もいい天気だね狛枝くん!」
「朝からキミの顔を見ないといけないだなんて吐き気がするよ。」
「大丈夫!狛枝くんのならいくらでも受け止めれるから!」
「ボクの視界から消えてほしいって言ってるんだけど。そんな事もわからないの?これだから予備学科は。」
呆れたと言い私の座っていた席の遠く離れた席に座る狛枝くん。
ここはレストラン。
朝は大体の人が集まってくる場所。
大体…というかほぼ全員、いや、
ココ最近はずっと全員集まってるかな。
ここで今日のシフトとか発表されるし。
「狛枝くん!前いいかな?」
「…。」
私はさっきまで座っていた席を立ち、
狛枝くんの前まで行くと明らかに嫌そうな顔でこっちを見る狛枝くん。
「そ、そんなに見つめられると照れちゃうよ。」
「キミの脳はにわとり並なの?」
「にわとりって、3歩歩けば記憶無くなっちゃうんだっけ、それなら大丈夫!
私、狛枝くんを好きな気持ちはこれからもずっと忘れないし忘れる気もないよ!」
「キミ本当に頭大丈夫?」
「こ、狛枝くんが私を心配してくれてる…!」
「大丈夫じゃないみたいだね。」
私がテーブルにトレイを置き、
椅子に座ろうとすると遠くで私を呼ぶ声が聞こえた。
「おーい、名字ー!」
「あ、日向くん!」
私の名前を呼んだのは日向くんだった。
一体何があったのだろう。
「ごめんね狛枝くん、ちょっと行ってくるね!」
「もう戻ってこなくていいよ。」
「もう、冷たいなぁ!」
そんな所も大好きだけどね!
___________
遠くの方で日向クンと楽しそうに話す名字さん。
日向クンが可哀想だ。
あんな予備学科と話すなんて、よっぽどの事があったんだろうね。
「…まぁ、ボクには関係ないけど。」
しばらく彼らを見つめていると日向クンの方から何かを手渡すのが見えた。
あれは…
「…指輪?」
シルバーリングらしき物が手渡される。
名字さんはそれを嬉しそうに笑い受け取っていた。
何だ、ボクだけじゃないんだ。
あぁやって、あの笑顔で皆を惑わしその気にし、
ハーレム状態を作ろうとしていたんだ。
それに、ボクもまんまと引っ掛かったと。
「…こうして気持ちを隠しているボクが馬鹿みたいじゃないか。」
ボクも、彼女が好きなのに。
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作者名:林檎 | 作成日時:2016年9月4日 23時