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「送ってくか?」
『大丈夫です、1人で帰れるので』
「部活終わったんだし敬語外せよな」
『……はは、』
これでもほぼ3年ぶりに会ったのだ。
最後に会ったのは私が中学1年生の時の夏休み、幸男の家に遊びに行ったっきり。
まぁそれでもメールではずっとやり取りはしたんだけど。
だから私の愚痴とかはいっぱい聞いてもらってたし、変わっていくキセキの世代の話もした。
なんなら、黄瀬くんの愚痴も。
「前に言ってたお前のことが嫌いな部員って…黄瀬のことか?」
『…よくわかったね』
「お互い嫌いです、ってオーラ半端なかったし」
黄瀬くんが海常を選んだなんて知らなかった。
ていうかそもそも大輝とさつき以外のキセキの世代の進学先を知らない。
入学式で全員の名前が呼ばれるはずなのにそれでも気づかなかったのは私が眠くて睡魔と戦っていたからであろう。
本当に何も知らなくて、体育館へ来てからその姿を見て驚いて。
話したことだって1度しかなかった。あの日ミーティングで私が泣いた時も、彼が1番面倒くさそうにしていたし。
そんな久々の再会を、彼は鬱陶しいという一言で片付けた。
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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時