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黄瀬くんが女の子を嫌いなのは、これが原因なんだろうか。

自分が好きになるだけでその子は虐められてしまう。




だから部活のマネージャーであった私に、女である私に酷い対応をとっていたんだろう。


女子というのはそういうものだと知っていたから。そんな最低な奴らが自分のことを好きになられたら吐き気がする。




自意識過剰ではあるけど、黄瀬くんだって苦労してる。そんな過去があったなら、そう思っても仕方ない。







「…俺、中学入るまでずっと初恋引きずってて、好きな子なんてできなかったんスよ。でも、俺美咲のこと本気で好きになって、なのに…」








彼の中で消えない美咲ちゃんの存在。

初恋、というのも気になるけど元カノの存在って大きいんだろうな。


私なんかじゃ、それを満たしてあげることなんてできないし。その事実が苦しくて、目の前で黄瀬くんが泣くのを我慢しているのに私まで泣きそうになっちゃって。








「…でも、事実なんスよね。…罪悪感に囚われてただけで、美咲と赤司っちはすっげーお似合いだったし」







美咲ちゃんのいう好きな人は赤司くんだったの?ていうか元カノってことは元帝光?

聞きたいことが山ほどあったが、とりあえずスルーしておくことにした。私もそれどころじゃなかったからだ。








「…俺、今日気づいたんスよね。美咲は確かに好きだった。でも今好きなのは美咲じゃない」








黄瀬くんは、私の方を向き直して言った。









「俺、Aのこと好きだ」









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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時

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