嫌いなアイツ【黄瀬涼太】 (ページ35)

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時間というのはあっという間で、ついこの前までインハイ頑張ろう！なんて意気込んでいたのに、もう当日。

会場について、黒子くんと緑間くん以外のキセキの世代メンバーで集まることになった。勿論、赤司くんの提案で。

「…驚いたな、同じ高校とは聞いていたがそこまで仲が深まっているなんて」

「黄瀬ちん、あんなにAちんの悪口言ってたのにね〜」

「ちょ！それ秘密っス！もう仲直りしたんスから！」

『いいよ今更、私最初の部活でブスって言われたし』

「は？てめえぶっ飛ばすぞ」

「青峰っち怒らないで！？」

「大ちゃんだっていつも私に言ってるじゃん」

少しだけ、戻れた気がした。

私の中で止まっていた時計が、動いた気がした。

みんなが分からない…そう言って部室を出たあの日のミーティングから、私の中で時間が止まっていた。そこから動き出せた、そんな気がしたけど、

…そんなの私の勘違いで。

「Aが涼太と打ち解けたとて…僕に関係はないな。勝つのは僕だ」

「俺は負けねぇ。俺に勝てるのは俺だけだ」

「別に、どうでもいいけど〜」

「俺達だって負けないっス。ね、Aっち」

『あ、うん』

やっぱりみんなが個人で戦ってる。

それぞれの高校に所属して居るものの、僕が俺がって。
その中で黄瀬くんは、唯一 “ 俺達 ” って言ってくれた。

黄瀬くんにとって、私は仲間になれたかな。

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