ぎゅうして撫でて、いい子でいるから【まふまふ】

31日目 ページ32

まふだ。まふの声がする。



「まふ、何時に帰ってくるの？」



そらるさんの家に来てから3日目。



やっとまふがお家に帰って来る日。



なのに……。



ま「ごめんA、今日帰れなくなった」



"仕事が長引いて飛行機に間に合わない"



「……ぇ」



やだ。やだ、やだやだやだ。



だって帰ってくるって言ったもん。



迎えに来るって言ったもん。



約束……したもん。




ま「ごめんね、明日朝一で迎えに行くから」



"今日までそらるさんと一緒にいてくれる？"



「やっ、……。」



でも、まふの一言一言が全部優しいからわがままを言えない。



一個一個、私が混乱しないように丁寧に説明してくれる。



そんなまふに迷惑かけちゃいけないと思って、



わがまま言っちゃいけないと思って、



ぐっと涙を堪えた。



そ「…………。」



「わ、かった、そらるさんと一緒に待ってる」



今はこれだけしか言葉に出せない。



次の言葉を口に出したら、きっと涙がこぼれちゃうから。



だから、きゅっと唇を噛みしめるんだ。



ま「帰ったらいっぱいぎゅってしてあげる」



"それまでそらるさんといい子で待ってて？"



「っ、いい子で待ってる……待ってるからぁ」



"だから、早く迎えに来てよ"



ま「うん、絶対明日迎えに行く」



"……じゃあちょっとそらるさんに変わって？"



「…………ん。」




すぐに涙がこぼれる前にそらるさんにスマホを渡した。

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