ぎゅうして撫でて、いい子でいるから【まふまふ】

23日目 ページ24

まふまふSide.



ちゅっ。



「…………ん、んん」



隣ではスゥスゥと小さな寝息を立てるA。



僕がした行為にも全く気づいていない。



ま「……………。」



やばい……。



これはやばい。



完全にやってしまった。



キスを……してしまった。



ま「……まじかぁ」



隣で眠っているAが可愛すぎて、



つい……出来心で唇と額にキスをした。



まふ「うそでしょ……？」



"どうしよう"



今更気づいた自分の想いにすら動揺を隠せない。



もっと言うならば変な汗すらもかいている。



でも、ほんとのほんとに可愛いかったんだ。



独りで居たから寂しくなっちゃったのか、



熱が出たからきつくて不安になっちゃったのか、



どれが正解なのか本当の所はよく分からない。



けれど、



それでも泣きながら必死に僕だけを探し求めに来たんだ。



ほんとに可愛いくて愛おしくてたまらない。



しかも一生懸命僕に縋っては助けてって、ぐずぐず泣いちゃうんだもん。



あんなことをされて可愛くないはずがない。



そんなんで好きにならないわけがない。



ねぇ、そう貴方も思うでしょ？





ま「……ね？そらるさん」



そ「…………。」



ドアの端っこにコソコソと隠れて見える影。



全く気付かれていないとでも思ったのか、



彼にしては珍しくあたふたとしている。



すぐに不機嫌そうな顔をしたその姿が小さく現れた。



そ「……ね？そらるさん、じゃねーよ」



ま「えーだってどうせ最初っから見てたんでしょ〜？」



そ「うぐっ…まぁ、そうだけど」



ま「ふふっ、だったら貴方も僕と一緒」





"共犯、ですね？"





にやっと笑ってバツの悪そうなそらるさんに僕は、共犯宣告を言い渡した。



"僕がキスをするのを止めなかったんだから、



一緒に見てた貴方も共犯でしょ？"



そう伝えれば彼は、



そ「っ、〜〜〜おまっ……ほんとそーゆうとこ」



"性格悪すぎ"



うげっとでも言いたそうな表情でこっちを見てくる。



だって仕方がないじゃないですか。



僕一人じゃ荷が重すぎるんです。



ましてや中学生相手。



世間の目が怖いって訳じゃないけど……。



ちょっとぐらい、いいでしょ？



相談相手ぐらいにはなってくれたって。



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