第68話「死屍累々」 ページ47
朝ごはんを食べ、車で仕事に向かう
駐車場に車を停めると会社のドアをくぐり受付嬢に挨拶をする
そのままエレベーターに乗り、私の総務部へと続く階を押すと目の前でドアが閉まった
ウィーーンと機械が動く音がして、しばらくするとチンッと止まる
エレベーターから降りて総務部と書かれたドアを開けようとして、ふと思う
「(…書類とか絶対溜まってるよね)」
総務部部長の私は、幸い部下達に恵まれて結構苦労せずに仕事をこなすことができてる
が、何日も私がいなかったから流石に溜まってるだろう
今日は残業かもなぁ、と溜息を吐いてドアを開けると
「うわ!なにこの死体!!」
まさに死屍累々
デスクに突っ伏す部下達を見て思わずうわっとか言ってしまったごめんね
これはひどい有様である
「あ、桜沢部長…おはようございます…おやすみなさい…」
「ちょいちょいちょいちょい待って、旅立たないで!カムバックあつしくん!」
「無理です…部長いないとこんなに進まないもんなんですね…」
「いっつも部長とか言わないくせにこういう時だけ言うんじゃない、一応同期でしょ!」
目の前で私に虚ろな目を向けてるのはあつしくん
私とは同い年で、部長補佐みたいな役割を果たす優秀な部下であり友達
そんな彼がここまでやつれるなんて、なんてこった
とにかく他の人達に暖かいタオルとかを配ると泣いて喜ばれた
本当に何があった
「勘弁してほしいよ、桜沢がいない時に限って桜沢宛ての書類めちゃくちゃ来るんだよ…」
「あつしさんがいたから何とかなったんですけど…やっぱり皆疲れきってて…」
比較的まだ死んでなかった後輩ちゃんとあつしくんから事情を聞く
私がいなくても、大丈夫だと思ってたけどそうでもないみたい
というかここに入る前の予想を遥かに超える書類の束がデスクにあってビクッてなった
あつしくんが一番やつれている
「皆ごめんね、今日はゆっくり自分のペースでいいから仕事してくれると嬉しいな。どうしてもムリな人は仮眠してていいよ!皆頑張ってくれたから今日のお昼は出前とろっか!」
瞬間、ドッと事務所内が歓喜の声に包まれた
どんだけ辛かったの
始業前の朝礼もラジオ体操も今日はお休みし、各自ゆっくり寝たり作業したりしだした
「俺、桜沢が上司でよかった」
「ごめんあつしくん、ありがとう」
顔を両手で覆って感動してるあつしくんの肩にポンと手を置き、デスクに蒸気アイマスクをプレゼントしてあげたのだった
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炉夜 - おそ松さん2期OPを聞きながらこの小説を読んでる私は幸せ……でありたい(2日後中間テストの人) (2017年11月20日 1時) (レス) id: 299a7e3fab (このIDを非表示/違反報告)
全松girl(プロフ) - 『花より三色団子』の舞台って、東映太奏映画村(とうえいうずまさえいがむら)ですか?漢字違ってたらごめんなさい! (2017年1月12日 0時) (レス) id: 423ee50578 (このIDを非表示/違反報告)
さいか - ウォルトなんとか人間何回も泊まったことがあります。凄くてやばかった。(・ω・)ノ (2017年1月6日 0時) (レス) id: 400d8d3ea4 (このIDを非表示/違反報告)
阿修羅丸 - とてもおもしろいです。ドハマりしました! (2016年6月24日 15時) (レス) id: 304e2b5179 (このIDを非表示/違反報告)
松野七松(プロフ) - ひょえ−、女の嫉妬って怖いねぇ。フッ、心配ないさ、なぜならカラ子一途だからね!どうせならそのままゴ−ルイ))殴and蹴すみません、もう何も言いません。 (2016年6月14日 0時) (レス) id: e4fa147493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イバラ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/
作成日時:2016年4月8日 5時