【おそ松さん】次男、拾いました。２

番外編「逆襲の下宿人 ４」 ページ11

「てかさー、Aちゃんよく殺人犯に勝てたよねぇ。何したの？」

「蹴破られて倒れてた戸を顔面キャッチさせた」

「(ホントコイツ何者…)」


私と六つ子は梨を食べながら談笑中

一般人3人殺したなんて豪語してるけど、ならヤクザ何十人も大病院送りにしてた私は何なのさってなるわけで

過去の栄光に縋っちゃいかんよ


「もしかしてAちゃん強いの？」

「そんなわけないでしょ！あれでしょ、昔のことだから体が訛ってたんじゃない？」

「(絶対違うと思う…)」


さっきからおそ松の質問攻めをひらりひらりとかわしているが、いつまでも変わらない疑いの目をかけられるのも疲れてきた

すると、部屋の外からドタドタと音が聞こえてきた


「(…逃げたな)」


うーん、今考えれば捕まえとけばよかったかも

あの時は梨に夢中だったからなぁ

確保してれば今頃


「お前の強さに惚れた！！付き合ってくれ！！」

「頼むから黙ってくんない？会って早々開口一番それはキッツいわぁ」


こんなことにならなくてすんだかもなのに

あれから東郷は私に付きまとい、毎回毎回告白してくる

ほんと勘弁してほしい

それだけならまだよかったのだが


「あ"ぁん！？てめぇなに人の彼女に告ってんだ！！鏡見ろバーカ！」

「フッ、吐きそうだ…」

「ケツ毛燃えるわ！ブス！」

「消えろ、飯食えなくなる」

「(‹●›益‹●›)」

「チェンジ！！」


六つ子セコムがもれなくついてくるようになった

ツッコミどころ満載すぎてどれからすればいいのか分からない

大体彼女じゃないし

確か東郷が付きまとい始めたときにおそ松にそれ見つかって、次の日から六つ子が常にそばにいる状況になったんだっけ


「てかさぁ、殺人計画どこいったわけ？」

「そんなのどうだっていい！」


逆襲を放棄した東郷

一体何しに来たの


「俺はお前を殺したいんだ！」

「何故そうなったし」


あの日顔面に戸を投げられてから、惚れたと同時に私に仕返ししたいらしい

ヤンデレなの？やめてねそういうの私嫌いだから

逆襲の下宿人ってターゲット私？

私普通に生きたい


「おそ松もさ、あんたトラウマは？」

「は？トラウマ？なにそれうまい？」

「もういいです」


トラウマだってギャーギャーしてる余裕がないみたいですね


「そんなのより、A守んねぇとだろ！」


ニシシと笑うおそ松

一体トラウマとはなんだったのか

東郷と六つ子の睨み合いに挟まれた私は、深いため息を吐いた








END

第45話「恥ずかしさ」→←番外編「逆襲の下宿人 ３」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す