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浦島太郎『3』 ページ8

宴が始まり、Aは主役である一松にお酌をしています

魚達の踊りがそれを一層華やかにし、一松はこの上ない充実感を味わっていました

いっそこのまま海で生活もいいと思ったのですが、Aのためにも一緒に陸に戻らねばなりません

チラリとAを見ると、丁度バチッと目が合いお互い微笑むと何故か視線を感じます


「「(じぃーーーー)」」

「ど、どうしたの?みんな…」


魚達がじっとふたりを見つめます

何かあったのだろうかとAがあわあわし始めると、魚達のうちの一匹がぽつりとこう呟きました


「姫様、まさかその方と…」


さぁっと顔が青くなったA

でしたが、次の瞬間魚達はワァッと歓喜の声をあげました


「姫様が本当のお相手を見つけたぞ!!」

「今日はなんて幸せな日なんだ!」

「おめでとうございます姫様!!」


てっきり反対されると思っていたAと一松は呆然としています

しかしチョロ松が魚達の前に出て、こう言いました


「姫様、僕達はあなたに拾われた身です

僕達は姫様に救われた日から、あなたの幸せを祈ってきました

ですが婚約者が決まった姫様はとっても悲しそうで、見ている僕達は何も出来ずとても悔しかったです

いつも優しく笑ってる姫様が無理をして笑うようになり、とっても悲しかったです

けど、僕の恩人である一松とお会いしてから姫様はすごく幸せそうで…彼になら、姫様を任せられます

どうかおふたりで逃げてください」


ニコリと微笑んだチョロ松の後ろの魚達も、コクコクと頷く

しかし姫であるAを逃がし、父王の怒りを買えばどうなるかは想像がつきます

それでも魚達は、「姫様が幸せならそれでいい」と笑いました


「っチョロ松…みんな…ありがとう…!」

「泣かないでください姫様…」


嬉し泣きをするA

しかし、傍に寄ろうとするチョロ松の横を

涙を拭おうとした一松と、泣くAの間を

物凄い速さで何かが通り過ぎていきました


「何勝手なこと言ってるザンスか…

Aはミーのものザンスよ!!!」

「っイヤミ様!!」


ドガァン!と派手な音を立てて入ってきたのは三本の歯が特徴的な男


「へぇ…テメェがAの婚約者かァ?盗み聞きとはね…冗談はその歯だけにしときな」


ゆらりと立ち上がった一松は、イヤミと呼ばれたAの婚約者と対峙し、腰につけた太く大きい釣り針たちに手を伸ばしました


※イヤミが悪役として出てますが公式とは一切関係ありませんご了承ください

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ミリア - 赤ずきんとシンデレラが面白いです! (2019年5月17日 17時) (レス) id: 529b85d986 (このIDを非表示/違反報告)
- いえい (2018年3月16日 14時) (レス) id: 54a07e1c3b (このIDを非表示/違反報告)
レリアーネ - ブッフォww∴(^ω^ )これはめっちゃ面白いし好きです!!イバラさん…いいセンスですねwww更新頑張ってください!! (2018年1月29日 1時) (レス) id: 599928d0c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナリサ♪(プロフ) - 同じく私も腹筋が天に召されました。面白かったです! (2017年3月25日 16時) (レス) id: fbc84b8596 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 唐松さん流石だわwwwパンツって完全に自分の欲求満たすためな気がwwあ、腹筋が天に召された…次回楽しみに待ってます! (2017年1月13日 23時) (レス) id: 355f51d18b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イバラ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/  
作成日時:2016年6月28日 18時

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