Fischer's 短編 2。 (ページ37)

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『よ、よくコレを提案しましたね。』

「いや、俺じゃなくて…。」

兄貴(シルク)が漫才を提案し、
俺は反対したが

兄貴(チビ)がどうしてもやって欲しい、と言うから
ジャンケンをして決めたと言った。

「それで俺が負けて、やる事になった。」

Aが腑に落ちた顔をして納得する。

そして、兄クロードが
漫才カードゲームの説明をする。

ツッコミとボケに分かれて
それぞれツッコミとボケのカードを使います。

この手札の枚数で難易度が異なるんだけど
今回は、養成所レベルってことで

手札3枚ね。

ネタはフリートークで、ネタ合わせ０分な。

あと、ボケはボケた瞬間にカードを出す
ツッコミはツッコむ前に即座にカードを出す。

ちなみにカードの絵柄が互いにじゃんけんの手に
なってんだけど

ツッコミが勝ったら、否定するツッコミ。

ツッコミが負けたら、ボケを流す。

あいこの場合は、ノリツッコミで返す。

という感じです。

「とりあえず初めにコンビ名決めるか。」

『はい！何にしますか…？』

「んー…、何も考えてないんだよな。
ターゲットがAだって知らなかったから。」

『なるほど、どうしましょうか。』

「あー…

っていうか今、俺シルクだから敬語禁止。」

『で、でも私シルクくんとでも敬語です。』

「…そういえばそうだな。」

Aがこくこくと頷く。

「じゃあ、今から強制的に敬語禁止な。」

え！とAが驚くと同時に困った顔をする。

「…何か言いたげだな。」

『な、何でもないで…』

「で？」

お兄さんが顔を寄せて疑うように見つめる。
私はその視線にいたたまれなくなって逸らす。

『で…やんす。』

「あはははは！
やんすって何だよ、いつの時代だよ。」

苦し紛れの誤魔化しだったけど、何とか回避した。

『あの！一つ、思いつきま…

ついたよ？』

兄クロードがぎこちない言葉に笑いながらなに？と尋ねる。

『二人の雰囲気が、兄貴と子分。
って感じ…だから…

師弟とか！』

「あはははは！
師弟ってなんだよ…あはは。」

『じゃあ、何かありま…ある？』

「また言おうとしたろ、

そうだなー、兄貴と子分…
あにき、こぶん。

兄コン。」

Aがクスクス笑っている。

「なんだよ、Aのより良いだろ。」

『いや、意外と可愛いなって…思っちゃって。』

ふふ、と笑いながら言うので

「じゃあ、師弟でいいよ…。」

と渋々承諾した。