あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ41)

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風磨｢……俺何やってんだよ…｣

俺には(人1)がいるじゃないか。

初めて(人1)を見た時、

(人1)から目が離せなくなった

あの時の気持ちを

なかったことになんかしていいはずがない。

初めてだったんだ。

あぁ、これが一目惚れって言うんだ。

って、その時初めて知ったんだ。

最初は、０からのスタートで、

(人1)は俺に見向きもしてくれなかった。

気を使って、バレンタインと

俺の誕生日には手作りのケーキをくれた。

でも、(人1)自身言ってたんだ。

"あの時は、風磨があまりにしつこいから

仕方なくって感じで付き合ってたけど、

まさかこんなにも好きになる日が

来るだなんて思ってもいなかった"って。

そう言われたあの日、

俺の片想いが終わって、

やっと両想いになれたんだ。

その日初めて(人1)にキスをして、

初めて(人1)と二人で

俺の部屋で一晩過ごした。

まさか、あれで満足してしまったとでも

言うつもりなのか？

認めたくないけど、

実際、君に好きだと言われる前から

君のことが気になって仕方がなかった。

でも、その感情は、

妹を見ているような感覚だと思い込んでいた。

でも、さっき君に好きだと言われて、

少しだけ嬉しいと思ってしまったのは事実だ。

でも、今ならまだ

取り返しがつく。

(人1)の声が聞ければ、

(人1)と仲直りできれば、きっと…

そう思っていた時、

風磨｢……!!｣

(人1)から電話がきた。

風磨｢もしもし、(人1)。俺さ、

｢(人1)なら、今隣で寝てるよ｣

聞き覚えのある声が、

頭の中でこだまする。

風磨｢……中島……なんでお前が…｣

健人｢(人1)に会いたいって言ったら、

あっさり部屋の中に入れてくれてさ、

そしたらいきなり抱きついてくるから

もうびっくりしちゃって。笑

あ、今画像送ってあげるね。笑｣

そう言われて送られてきた画像を開くと、

風磨｢……っ!!!!｣

裸で寝ている(人1)の顔が写されていた。

健人｢あ、これ、不可抗力だからね。

先に誘ってきたのは(人1)の方だから｣

風磨｢…っ｣

健人｢ふはっ、笑

お前もざまぁねぇな！笑

まぁ、精々悲劇のヒーローでも

気取っておきなよ、風・磨・く・ん｣

ツーツーと受話器から聞こえる音が、

頭の中で鳴り響いていた。