【おそ松さん】拝啓、愛するファミリーへ【カラ松】

7通目　今まで育ててくれてありがとう ページ7

『やめろ母さん！』口を閉ざしていた父さんがようやく口を開き母さんの言葉を閉ざした。
　父さんの目元にはうっすらと涙がうかんでいた
　父さん…… 俺のために泣いてくれているのか？そうだったらどんなに良いだろう。
　
『でも…私、あの子にひどいことばかり…』

『母さん！ 今更後悔したって遅い！ カラ松はもう…もう‥死んだんだ』唇を噛みしめる。

　認めたくないと言うように言いにくそうにしながら父さんは母さんに言い聞かせた。

　父さん、母さん。オレの死が二人の足枷になってしまっているのか。
　俺は死んでまで人を傷つけてしまう……

『そうね。このイタい服を着ているのも、もう見れないのね。でも案外ひょっこり帰ってくるんじゃないかしらって思うのよね』
　
　そう言って母さんは静かにほほえんだ

『そうだな。帰ったぞfamily!!!ってな』

　お世辞にも似ているとは言えない父さんの物真似

『『アハハハハ』』

　二人は笑い出した、だが俺にはわかる。二人は強がっている。ブラザーに弱い姿を見せたくないのだろう。そう思うと胸が締め付けられる。

(アハハハハ)
　
　隣で明らかに２人の声以外の声が聞こえてきた。

(なんでおまえも笑ってる)

しかも無表情と棒読みのダブルコンボ

(いや空気を読んだ方がいいかなと)

　今読まれても嬉しくないぞ、わざとか？
ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ
　何やら騒がしい音が聞こえてきた

(なんか来ますね)

　二階からだ 音からして一人じゃない
ﾊﾞｱﾝとふすまが勢いよく開かれた

『母さん？！さっき凄い声聞こえたけど大丈夫？！』


　ブラザーが焦った顔をして母さんを見つめる
母さんはいつもの口調で


『ニート達、母さんと父さん、この後たくさんやることあるから後はお願いできるかしら？』

　さっき見せた弱気な顔は何処にもない。母の顔だった｡弱い顔を隠して強い母を演じていた。

『分かった。ゆっくり休んで』

　おそ松が笑顔で言った。ほかのブラザーはまだ顔に不安の色がうかがえる


(こうみるとあんた6つ子だったんですか。よく似てますね)

　表情も声色も変えずに言った。俺は郵便屋をみる。郵便屋の反応には驚いた。6つ子なんてそうそう居ない、いつも騒がれる。

(あまり珍しくないのか？普段は驚かれるが)

(いえ、生前も死んでから20年ほどたちましたが初めてみました)

えっちょっとまて

(死んでからそんなに経っているのか？！成仏せずに？！)

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