【おそ松さん】拝啓、愛するファミリーへ【カラ松】

5通目　父さん母さん ページ5

郵便屋が家のドアをすり抜けて入った。流石にすり抜けた事はないから驚いたが幽霊だしなと納得し俺も後に続く。
　家ではさっそく母さん達が俺の遺品を整理していた。
　にしても気が早すぎないかマミー。

　音が途絶え部屋は静寂に包まれている。静寂と孤独を愛する俺でもこの空気は居心地が悪い。
　黙々と整理する中、母さんが空気を変える様に話し出した。
『はぁ……カラ松、就職できなかったわね』ポツリと誰に言うわけでもなさそうに呟いた。

(母さん？！)第一声がそれだとは思わず叫んでしまう。
　母さん もっと違うことがあるだろ？！
そういうのは本人がいないところでやってくれ

(あんた無職だったんすか。働かないとだめですよ)郵便屋が呆れたように言った
　
　反論できずに拳を握りしめる。
　分かってる 分かってるぞ郵便屋…… だが俺は就活もした！ 何もやっていなかった訳じゃない


『だな、親孝行してもらいたかったものだ』
ケラケラと笑いながら父さんが言った。

(父さんまで…)

　俺はがっくりと肩を落とした。
　もう少し故人をいたわってほしいものだ。
さすがに両親にここまで言われるとは

　遺品は思った以上に多かった
　
　革ジャン、顔入りタンクトップ、サングラス
ギター、タンクトップ、パーカー、鏡、タンクトップ、タンクトップ、タンクトップ……。

　
(あの顔入りのタンクトップ何枚あるんです？
ほら……お母様の顔がこわばってきてますよ)

　母さんを指さしながら言った。本当にこわばってきている。

(タンクトップはストックがかなりあるからな、整理も大変だろう)
　
　黙々と遺品整理する両親をただ見つめる

(父さん、母さん)

　やっぱり俺のこと嫌いなのか？ 扶養選抜面接のときも俺のこと無視していたし
　死んでよかったって思っているのか？


(カラ松さん、カラ松さん)


　郵便屋が白い何かをもって手招きしている

(カラ松さん、あんたに手紙がきています)


　何故死者に手紙が届くんだ？そんな疑問もあったが誰からの手紙かが気になった

(誰からだ……？)

郵便屋は相変わらずの無表情で告げた
告げられた言葉に思わず耳を疑った

(あんたの両親からです)

6通目　就職できず迷惑かけてごめん→←4通目　伝えたいことがあるのでこの手紙を送ります。

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