30通目 俺たちが働かないでいても ページ30
今俺たちが居るのは傷付いた己の体を癒す神殿……つまり病院だ。簡易なベッドがいくつか置いてある病室には父さんと十四松以外の皆が揃っていた。ベッドの上にいるチョロ松を含め全員がぐるりと何かを包囲するように立っている。その中心には……
『どうしたんだーファミリー？ チョロ松が無事だったことを祝福しようじゃないか』
手をわざとらしく広げ笑う、が、皆の顔は焦りと困惑の色が見られる。何人かは冷や汗をかき気が気でないようだ。
俺も手を握りしめ状況を見守る。無表情なあいつも一言も発さずに見つめ
『なあ、俺は霊とかは信じたりはするんだけど〜』
おそ松が一歩前に出て笑う。赤いパーカーは日が出ていないからか黒く見える。皆の目は自然と赤黒い一転に集まる。そしてすっ……と笑顔を外した。
『お前、誰だ？』
偽物も含め皆の顔が凍り付いた。
威厳といったらいいのだろうか逆らえないような雰囲気を漂わせる。だがそんな中で声を震わせ涙ながらに声を上げた人がいた。
『ねえ、この人はカラ松兄さんでしょ？ だってこんなにイタいんだよ、こんな人他に居ないよ！ カラ松兄さんは死んでなんかないよ……』
トド松だった。あざとさの欠片も感じられない声から本気なんだと感じ取った。
『フッ……そうさ、カラ松さぁ！ 神に選ばれし俺がファミリーの前から居なくなるなんて……
『あのさぁ！』
黙っていたチョロ松が声を荒げる。口は何時も以上にヘの字になって不機嫌だとすぐに分かった。
『トド松、悲しいけどカラ松は死んだんだ。もう変わらない、受け入れて』
トド松が肩をびくっと震わせる。嫌だ……信じたくないよと小さく呟く声が耳に残る。その後も口を開こうとするがおそ松が軽く静止する。
『そんなに叫んだら疲労で倒れるどころかハゲちゃうよ〜。後はお兄ちゃんに任せなさい！』
さてとと椅子に座りゆっくりと目を開きニヤリと口を歪ませた。
(もう余り長くは居られません。悪霊が来ました)
隣で成り行きを見ていた郵便屋の言うとおり周りは殆ど黒で埋め尽くされていた。それに頷いて応える。
考えなくてもわかることだ。俺たちは6つ子、同じ顔だから誰かの真似をすることは難しくはない。
おそ松が口を開く。つられて俺の口も開いた
(『十四松、どうしてこんな事するんだ』)
31通目 一人ちゃんとバイトやっていたな→←29通目 トド松
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囚人2 - くにひなさん» 別アカから返信させていただきます囚人です。感想ありがとうございました！できるだけ良いものを届けられたようなので満足です！お粗末なものでしたがここまで読んでいただきありがとうございました！ (2017年3月31日 18時) (
レス) id: e6ab6539df (このIDを非表示/違反報告)
くにひな(プロフ) - 囚人さん、お疲れ様でした!!最後までとても感動しながら読ませていただきました。°(´ω`)° 。ひゃー、本当に面白かった!!カラ松、無事現世へ還れて良かったです。 (2017年3月27日 14時) (レス) id: 9876eec4f2 (このIDを非表示/違反報告)
囚人(プロフ) - ガーナさん» ガーナさん！応援ありがとうございました！こんなもので少しでもいい方向へ向かえたならこれほど嬉しいことはないです。ガーナさんのコメントのお陰でここまで来れました。嬉しいコメント、本当にありがとうございました！ (2017年3月12日 20時) (レス) id: 1320336adf (このIDを非表示/違反報告)
ガーナ - 完結、おめでとうございます！。この小説が無事完結を迎えた嬉しさと寂しさで胸がいっぱいです。私はこの小説を読んで、いい方向に人生が変わった気がします。それに、囚人さんの世界観が大好きです！。本当に、おめでとうございました！。これからも頑張って下さい！。 (2017年3月12日 20時) (レス) id: cf0ca5759a (このIDを非表示/違反報告)
囚人(プロフ) - 朱雀悲奈さん» おそらく、私でしたら、活動する際は、挨拶は、どうも、誰々ですみたいなかんじなのでそれはももしかしたら、私かもしれません笑 いつか見つけたら是非お声をお待ちしてます！ (2017年3月10日 0時) (レス) id: 1320336adf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：囚人 | 作成日時：2016年4月26日 20時
