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21通目 何だかんだいっていつも隣にいなよな。 ページ21

(な……、何だあれは)

 それは見たこともないような大きな影だった。薄暗いここでもはっきりと分かるほどの真っ黒な影だ。

(なあ、いったいあれは……?)

 隣にいる郵便屋に訪ねようとしたがそれは叶わなかった。呆然と立ち尽くしている。さすがに変だと思った。何で無視するんだ?おかしいと思って気づかせようと手を掴んだ。

(っ?!)

 彼の手は恐ろしく冷たかった。前も冷たかったが今度は体温が感じられないどころじゃない。まるで氷を掴んでいるようだった。カタカタと小刻みに震えていた。
 俺に気づいたのかはっとしたような顔で俺の方を見てぱっと手をふりほどいた。

(すみませんぼーっとしてました)
 
 いつもの調子でそういった。

(『嘘だ』)

 直感的にそう感じた。あれはぼーっとしていたどころではない。まだ俺に隠している事がある。

『手足の冷え、何故今更…』

 小さな声で呟いた台詞を俺は聞き逃さなかった。それは俺も何度か経験がある。何か重要な事なのだろうか。
聞いたところではぐらかされる可能性があるから聞かないでおこう。
影はよく見るとかなり怖かった。ただ真っ黒なだけじゃなくドロドロとした色が何重にも重なって黒く見えていた。近寄りがたいものだがそれが見えないおそ松は平然と近づいた。そして

『昨日はごめん!』

 ブンッと音がしそうなほど思いっきり頭をさげておそ松は一松に言った。一松は目を見開いて驚いたような顔をしたがすぐに卑屈な笑みを浮かべ静かに言う。

『こんなゴミに頭を下げるなんてね、おそ松兄さんも物好きだね』

 ひひっと意地の悪い笑みをこぼしながらつかつかとおそ松の横を通り過ぎる。そして俺たちの目の前でとまった。
 
これって逃げないと不味い奴じゃないか?
無視できるほどのメンタルなんて持ち合わせているはずかなく棒立ちするしかなかった。

(アレ?アナタシッテル)

 明らかにおそ松と一松の声じゃない声が聞こえた。女性の声だ。でもこの場に女性は一人も居ないはずだ。
 そのとき、影が大きく歪んだ。そしてじわじわと姿を変え、セーラー服を着た女の子の姿になった。普通の女の子だったが体制が可笑しく何かに吊されているようだ。だが明らかに異質なものが目をひき、その理由が分かる。

 彼女は首を吊っていた

22通目 嬉しかった。お前はゴミなんかじゃない優しい弟だ。→←20通目 俺への当たりが少し強かったが


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設定タグ:おそ松さん , カラ松 , アニメ   
作品ジャンル:アニメ
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囚人2 - くにひなさん» 別アカから返信させていただきます囚人です。感想ありがとうございました!できるだけ良いものを届けられたようなので満足です!お粗末なものでしたがここまで読んでいただきありがとうございました! (2017年3月31日 18時) (レス) id: e6ab6539df (このIDを非表示/違反報告)
くにひな(プロフ) - 囚人さん、お疲れ様でした!!最後までとても感動しながら読ませていただきました。°(´ω`)° 。ひゃー、本当に面白かった!!カラ松、無事現世へ還れて良かったです。 (2017年3月27日 14時) (レス) id: 9876eec4f2 (このIDを非表示/違反報告)
囚人(プロフ) - ガーナさん» ガーナさん!応援ありがとうございました!こんなもので少しでもいい方向へ向かえたならこれほど嬉しいことはないです。ガーナさんのコメントのお陰でここまで来れました。嬉しいコメント、本当にありがとうございました! (2017年3月12日 20時) (レス) id: 1320336adf (このIDを非表示/違反報告)
ガーナ - 完結、おめでとうございます!。この小説が無事完結を迎えた嬉しさと寂しさで胸がいっぱいです。私はこの小説を読んで、いい方向に人生が変わった気がします。それに、囚人さんの世界観が大好きです!。本当に、おめでとうございました!。これからも頑張って下さい!。 (2017年3月12日 20時) (レス) id: cf0ca5759a (このIDを非表示/違反報告)
囚人(プロフ) - 朱雀悲奈さん» おそらく、私でしたら、活動する際は、挨拶は、どうも、誰々ですみたいなかんじなのでそれはももしかしたら、私かもしれません笑 いつか見つけたら是非お声をお待ちしてます! (2017年3月10日 0時) (レス) id: 1320336adf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:囚人 | 作成日時:2016年4月26日 20時

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