私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？伍っ！【RKRN】

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鉢屋の肩に置かれた頭が少しズレ始め
Aのまつ毛もそれに付随するかのように揺れ動きAの目覚めを告げる


Aはとうとう鉢屋の肩から離れ
目を手で擦り寝言のように一人呟く




「んんっ…あ…あれ…？ここ…は…？」


「やっと起きたか寝ぼすけ
全く随分なが〜い休みだったな」




鉢屋はようやく眠りから覚めたAに対して
寝起きであるかどうかなんて関係なく嫌味を言うが、Aは寝ぼけているのか







「んん…ごめんね…【らいぞうくん】…」


と鉢屋と【不破】を誤認したのだ





「…！！」





鉢屋はこれに一瞬驚くが
この二人にとってこのように間違えられるのはAだけに留まらず日常茶飯事だった

そのため、鉢屋は
「ずっと雷蔵が側にいたから無理もない
ここは雷蔵として接した方がこいつも安心するか…」と気を利かせて彼女が求めている不破雷蔵になりすます





『…七松先輩が後ろから
Aのことを驚かして倒れたんだよ
覚えてる？』

「えっと…なんと…なく…？」

『そっか…もう少しでみんな合流すると思うから
それまでここで待っていよう？』

「わかりました…すみません…
足を引っ張ってしまって…」



「やっぱりな…言うと思った…」



鉢屋の本音がこの時、言葉として溢れた
Aにそう感じさせないようにと
六年生に対して反旗を翻そうと取り組んできたが

Aにとって自分が
どんなやむ負えない理由であれ
倒れたことが問題なのであり
それを許容することは甘えであると感じている


まるで壁だ
Aと他の五年生との間に作られた踏み込めないボーダーラインとも言える

そんな壁を鉢屋は
一目、Aを見た時から腹が立って仕方がなかった
いつまでも一人でうじうじとしているならこっちに来いとどうしても言いたくなるのがAだったのだ



『Aは頑張ってるでしょ
いつだって頑張ってる
少しは人に頼ること覚えていい




もうそんなに気を遣わなくていいんだよ』





いつもの鉢屋では言えない気持ちは
【不破雷蔵】としてなら言える





この鉢屋三郎は本当に素直じゃなく
器用なように見えてとても不器用な人だったのだ

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