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黒猫が、藤ヶ谷の生まれ変わりだと気付いた時、俺は過去を捨てた。

藤ヶ谷の読心術にでさえ開けられないよう、心の奥底に深い鍵を掛けて過去を葬った。




「っ、あ、」




いつ失っても良いように。
いつ手放しても良いように。


そう心掛けて接しているつもりなのに、こうして厳重な結界の中で、藤ヶ谷と2人で暮らして、誰からも藤ヶ谷に触れさせまいとしている俺は、きっともう依存しているのだろう。



背中をつーっ、となぞると、藤ヶ谷は綺麗に鳴いた。




「きっ、たやまさ…んっ」
「ん、」






首筋にキスを落とすと、藤ヶ谷はまた鳴いて体を震わせた。




____





気怠るさが残るベットに2人で沈んでいると、藤ヶ谷は聞いてきた。




「どうして、北山さんは、何も受け取らないんですか…」
「…別に、いらねえもん」
「北山さんは、強いのに、」




ぎゅ、と俺の指を握り締めてくる藤ヶ谷に、初めて会った時に噛まれたあの甘い痛みを思い出した。





「玉森に、言われて。俺、すごい悔しくて…」





大方のところ、昼に遊びに来ていた玉森にきっとまた報奨を辞退した俺のことを何か言われたのだろう。

それが悔しい。

そう言って不機嫌になっている藤ヶ谷に、また甘ったるさが俺の胸に広がっていった。




「俺は、弱いよ。玉森は間違ってない。

横尾さんみたいに、街の人の助けになってるわけでもないし、宮田みたいに忙しく働いてる訳でもない。

でも俺は、藤ヶ谷さえ居れば良い。
お前を守れる強さが欲しいだけ。

他人から何て言われても良い。

お前が居てくれれば、何もいらない。



それじゃ駄目か?」






俺がそう話すと、藤ヶ谷はまた綺麗に鳴いた。

濡れた瞳が、月明かりに綺麗に光った。





「ずるい…北山さんは、ずるい…」
「ははっ、こんな飼い主でごめんな」
「いっつも、何か隠してるくせに…本当のこと、俺に何も言ってくれないくせに」





涙を一杯に溜めて睨まれて、瞼に優しく口付けた。




「お前は知らなくて良いよ。
何も、知らなくて良い」





そう言って笑うと、その笑顔が嫌い、とそっぽを向かれてしまった。

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(プロフ) - たいちゃんらぶさん» コメントいつもありがとうございます〜! バーテンシリーズはT×Fも交えて更新して行きたいと思っております!第4弾でもお付き合い頂ければ嬉しいです(*^^*) きっと高校生時代から宮田さんは良い友達だったんだろうなあ、と思いながら書かせて頂きました! (2019年1月16日 9時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あみさん» コメントありがとうございます!バーテンシリーズは私も書いていて楽しいです…笑! ちょい笑い藤ヶ谷さんの策士っぷり是非楽しみにしていて頂ければと思います!魔法使いシリーズも引き続きよろしくお願いします! (2019年1月16日 1時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - した(/ω\)お玉ちゃんの想いも気になるっ・・もう一回読み直さねば・・(`・ω・´)ゞ (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - けてたいぴも良かったね・・みやっちありがとーー好きなんかじゃない・・玉ちゃんに色々暴いてもらって(←)たいぴの性癖が(゚∀゚)♪チュっと舌打ちが重なったってところ・・好きです・・玉ちゃんとだと右Fさんはみっくんにはどうなるんだろう・・ってつい考えちゃいま (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 魚さん♪終電の後(≧▽≦)心配募らすたいぴの様子に( ̄m ̄〃)ぷぷっ!お迎えに行くもどういうスタンスで??って考えちゃうトコもww(後でみったん怒ったら困るしね♪)ってここでやっぱり宮っちアシストさすがです♪優しい子だ!!幸せみったん・・良かったね・・それを聞 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年11月16日 1時

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