検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:20,148 hit

第十五夜 記憶 ページ15

彼女の歌の効果か、ジャーファルの顔色はよくなり、脈数も落ち着いた。シンドバットは目を見開きジャーファルの肥大に手をおいた。


シンドバット「熱も下がっているな…一体どのような魔法を?」


シンドバットがAに問いかけると彼女は、ビクン!っと肩を揺らした。何かに動揺しているようにも見える。そして口を開くなり「ただの回復魔法です」と言うだけだった。


シンドバット「しかし、貴女の顔色もあまりよくない、少し休んだ方がよろしいのでは?」

シンドバットは彼女が他国の姫と、勘違いをしているので、いつも以上に気を使っている。もっとも、シンドバットはいつだって女性には気を使うが。


A「いいえ…少し、過去を思い出してしまって。」


シンドバット「そうですか、でも、無理なさらずに、私は貴女が傷つくところは見たくない。」


シンドバットは一つ声のトーンを落とし、いつもの口説を使う。
普通の女の子ならこれで落ちるだろう。


A「お気を使わずに、私なら大丈夫です、シンドバット様」


彼女は軽く頭を垂れると、そのまま医務室を足早に出て行ってしまった。照れている様子はないので彼女は普通の女の子ではないだろう。
心の強い少女か、はたまた愛を失った少女か、それは他にはならない彼女自身しかわからない。


A「おにいちゃん…」


弱々しい彼女の声は誰の耳にも届くことなく、慌ただしい人々の足音によってかき消された。

第十六夜 千夜一夜の始まりの日→←第十四夜 天使の歌声



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
26人がお気に入り
設定タグ:アリババ落ち , マギ , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雷牙 - 更新頑張ってください (2017年10月24日 22時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - リランさん» あっありがとうございます!嬉しくて天に登る気持ちです!(/////▽////) (2015年1月27日 18時) (レス) id: e339ce0f1e (このIDを非表示/違反報告)
リラン(プロフ) - とても面白いです!  (2015年1月27日 18時) (レス) id: 3ae7794388 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 依さん» ありがとうございます!!(/////∇´//)頑張ります!! (2015年1月26日 16時) (レス) id: e339ce0f1e (このIDを非表示/違反報告)
- これからの展開が楽しみです!応援しています壁|ョ・ω・`o)ガンバッテッ♪ (2015年1月25日 23時) (レス) id: 8f1a8f8068 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅葉 | 作成日時:2015年1月25日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。