コタツに潜ると暑くなる ページ38
私はコタツにもぐって蜜柑を食べながら、年明けの期末試験に向けて少しずつ勉強を始めていた。
付き合うことにはなったのだが今のところ、これといった変化はない。
付き合って1週間。普通のカップルはキャッキャウフフするような時期だが、私達はそんなことも無く、他愛ない会話をする時間が少し増えたくらいだ。
大晦日といえば、サラリーマン等は仕事が休みだろうが、警察にはそんなことは関係なく、毎年大きな神社で開かれる年越しの祭りの警備に駆り出されている。
帰ってくるのは明日の昼らしい。警察も大変だなと思ったと同時に、私も数ヵ月後にはその警察になるのだと思うと、もう少しの間学生で居たいと感じる。
勉強を開始してどれくらい時間が経ったのか、気がつくと外は真っ暗になっていた。
今から買い出しに行って作るのも面倒臭いので、外で食べようと思い、ハンガーにかけてあったジャンパーを羽織る。
自室の机に置いてあるマフラーを巻いていくかは迷ったが、今日は寒いので巻いていくことにした。
何処の飲食店に行こうかと散策しながら歩くこと10分、どこからとなく煙の臭いがしてきたので、焚き火をしている場所でもあるのかと探していくと、神社に辿り着いた。数は少ないが屋台も開かれているようだ。
此方に引っ越してきて大体の土地勘は掴んできたつもりだったが、こんな場所に神社があるとは知らなかった。
カップルや家族で屋台は賑わっており、楽しそうな笑い声が響きあっている
先にお参りしてからご飯にしようかと列に向けて足を進めると、遠くの方から誰かが走ってきていることに気がついた。
「ひったくりよ!捕まえて!!」
走ってきた男がすぐそこまで来ると同時に聞こえた女性の叫び声に身体が反応し、女性のものであろうバッグを抱え走っている男に足をかける。
私は宙に舞ったバッグをキャッチし、そのまま女性に手渡した。
「誰か警察呼んできてください」
近くにいた男性が警察を呼びに行ったのを確認し、男が逃げないように押さえつけようと伸ばした手のひらに鋭い痛みが走り、一瞬表情を歪めた。
どうやら内ポケットにナイフを隠し持っていたようだ。
周囲から悲鳴が飛び交う中私はというと、迂闊に手を伸ばすんじゃなかったな、と思いながらナイフを構える男に目線を戻し、どう対処しようか迷っていた。
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二宮瑠夏(プロフ) - 面白いです!すっごい気になるので更新頑張ってください! (2022年4月7日 12時) (レス) @page41 id: 36dca4defb (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - シディアさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて幸いです!!是非推してあげてくださいーー! (2021年12月7日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
シディア - 僕山崎と土方推しだけど夢主ちゃん推しに変わろうかな。山崎と夢主ちゃん尊すぎる。ダメだ。これは夢主ちゃん推すしかない。 (2021年12月3日 21時) (レス) @page40 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - りんこさん» 人間いつ死ぬかわからないですからね!!笑亀更新ですが頑張ります!! (2021年4月3日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - いつも拝見させていただいています。ええっ!主人公死んだよ!もしかしてもう終わり…っと思ったら現世に飛んでホッと一安心してました。何だかんだで子供な夢主とそれに優しく応える山崎が好きです。これからも楽しみにしてます! (2021年4月3日 17時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘みかん味 | 作成日時:2021年4月3日 14時