見慣れた世界のはずなのに 山崎side ページ19
山崎side
副長からAさんが倒れたと連絡があり、急いで屯所に向かうと沖田隊長が出迎えてくれた。
そして、その場でAさんが副長や隊長のことを前世と同じ愛称で呼んでいるということを知らされる。
少なくとも少しだけは前世の記憶が戻ったということだろう。と期待を込めながら医務室の扉を開けた
「Aさん!!大丈夫ですか」
「うるさいザキ、頭に響く」
頭痛が酷いらしく頭を抱えているAさんが、昔のこの人の面影に重なって見えた。
本人だから当たり前なのかもしれないが、この口調、声のトーンが一番隊副隊長のAさんだった。
「ひとまず、帰りましょうか」
そう言いAさんに手を貸すが、余程痛いのか歩けないらしかった。というか、手が暖かい。
まさかな、と思いつつ体温計を渡して温度を計って貰うと39度越えの高熱が
「Aさん、帰る前に病院寄りましょう。いいですね?」
「わかった」
普段に比べて素直なこの人の反応に心臓が掴まされるが、何とかこらえて横抱きにして車へと運んだ
診察を終え、家に着く頃には自力で歩けるくらいには回復していた
汗をかいて気持ち悪いから風呂に入りたいという要望を聞き入れ、シャワー中に倒れられては困るのですぐ近くで待機した。
廊下の片隅で体育座りをしながらあの人が着替え終わるのを待っていると、何だか本当に異性として意識されていないのだなと虚しく思えてきた。
まぁ一回り離れているから無理もないのだけれど
「風呂上がった。ザキも入る?」
濡れた髪の毛に、高熱も相まって紅くなった頬
最近は意識しないようにしていたのに、今日はやけにこの人が色っぽく見えてしまう。
「ちゃんと髪拭かないと風邪酷くなりますよ」
そう言い、まるで父親が我が子の髪を乾かすかのようにドライヤーを当て、この人髪をクシでといていく。
「前から思ってたんですけど、髪伸ばしてるんですか?」
「うん、成人式まで伸ばそうと思ってる」
あ、そうか。この人まだ成人式してないのか
未成年だから当たり前なのかもしれないけれど
前世より大人びたこの人を見ていると、未成年だということを今にでも忘れてしまう。
133人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
二宮瑠夏(プロフ) - 面白いです!すっごい気になるので更新頑張ってください! (2022年4月7日 12時) (レス) @page41 id: 36dca4defb (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - シディアさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて幸いです!!是非推してあげてくださいーー! (2021年12月7日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
シディア - 僕山崎と土方推しだけど夢主ちゃん推しに変わろうかな。山崎と夢主ちゃん尊すぎる。ダメだ。これは夢主ちゃん推すしかない。 (2021年12月3日 21時) (レス) @page40 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - りんこさん» 人間いつ死ぬかわからないですからね!!笑亀更新ですが頑張ります!! (2021年4月3日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - いつも拝見させていただいています。ええっ!主人公死んだよ!もしかしてもう終わり…っと思ったら現世に飛んでホッと一安心してました。何だかんだで子供な夢主とそれに優しく応える山崎が好きです。これからも楽しみにしてます! (2021年4月3日 17時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:甘みかん味 | 作成日時:2021年4月3日 14時