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「あの、さっき“他の人みたいに利用しようとしてないか”って言ってましたけど、あれ、どういう意味ですか？」
「お、よくぞ聞いてくれましたねぇ」
そう言うと、じーっと俺を見る伊野尾さん。
「んー、山田を信用して教えるね？」
「は、はい」
「大ちゃんってさ、あの通り凄いアホなのよ」
まさかのいきなり悪口スタート。
「あの歳になっても、友達１００人作るの目標！とか言ってるの。笑っちゃうでしょ？」
「友達１００人……。大ちゃんなら言いそうですね」
「そんでもって大ちゃんってムードメーカーでさ。
……言っちゃえばいじられキャラっていうか。何言われても受け入れちゃうんだよね」
俺は黙って聞き続ける。
「だからこそ傷つくことも多くて。周りもこいつになら言っていいだろ、的な雰囲気のせいで結構言い過ぎるし。
まぁ、本人は笑ってるんだけど」
それはまだ知り合って数日の俺にも伝わったことだ。
こないだの課題の提出を押し付けられたこともそう。
あの人たちにはそこまで悪いという気持ちがない。
大ちゃんになら言ってもいい、引き受けてくれる、そんな気持ちがあったからこそあの態度だったんだろう。
「ま、皆、大ちゃんを利用してるつもりとかはないんだろうけど、適当に扱うっていうかさ。
大ちゃんも能天気に笑ってるし、そしたら俺が見極めなきゃじゃん？
だから山田がどんなやつかなぁって」
…………なるほど。
この人は大ちゃんのことをすごく大切に想っているんだ。
それならさっきの言動にも納得がいく。
まぁ、イケメンに対する偏見はどうかと思うけど。
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作者名：はらぺこ | 作成日時：2023年3月12日 22時
