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五話目 「合流?」 ページ5

ラグナがリリーたちについていくと言い出してから5分ほどたった。
 あの後リリーは何度かやめた方がいいと説得していたが、ついにラグナが首を縦に振ることはなかった。

「しかし、私がよくてもエトワルさんは大丈夫でしょうか?」
「エトワルさんって、確かプラネタリウムやってる人形だよね」

 だいたいconstellationがある方を見てラグナは言った。

「ま、私はまだ行ったことないんだけどね」
「私もです。今度行きたいですね」
「あ、じゃあ、一緒に行こうよ!」

 楽しそうに会話をする2人。そんな2人の後ろからゆっくりと近づく誰かがいた。
 誰かは歩みを止めることはなく、少しずつ2人との距離を縮める。そして、体に触れることができる距離になった誰かは、リリーの肩をトンと叩く。

「――何か楽しそうな話をしているね」
「ヒィッ!?」

 肩を叩かれたリリーは驚きで悲鳴を――あげなかった。その代りに、隣に座っていたラグナが叫んだ。

 予想していた人形が驚かず、逆に予想していなかった人形が驚いた。そんな状況にハテナマークを浮かべた誰か――エトワルは思わずラグナに言った。

「え、なんで君が驚くの」
「きゅ、急に声をかけるなんて失礼ですよ! それにう、後ろからなんて!」

 涙目になったラグナは、ベンチから立ち上がるとエトワルに詰め寄る。

 実はラグナはビビりだ。しかも超がつくほどの。先ほどのようならまだしも、もう少し強く驚かせばラグナはまるで失神しそうな勢いで飛び上がる。

 そんなラグナは半場我を失ったように「あーだ」「こーだ」エトワルに言っている。さすがに困ったエトワルは横目でリリーに助けを求めるが、

「お二人とも仲が良かったのですね。初めて知りました」

 どこをどう見てこの状況が「仲が良さそう」と思ったのか、リリーは2人を微笑みながら見ている。

 これも余談なのだが、リリーはラグナとは真逆で超肝が据わっている。確かに先ほどラグナが大声を上げた時は驚いてはいたが、お化けや驚かす系のものは一切驚かない。むしろ微笑んでいることのほうが多い。

 助けてもらうのは不可能だとわかったエトワルは、なんとかラグナから逃げようと謝罪の言葉を並べる。

「ご、ごめんね。まさかここまで君がビビりだとは――」
「私は怖がりで! ビビりで! 人見知りで! それなのに驚かすなんて、血も涙もない人です!」

 しかしエトワルの声が聞こえおらず、しばらくの間言葉が止まらないラグナだった。

六話目 「提案」→←四話目 「友人」



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設定タグ:アナックパントグ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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スズラン(プロフ) - sana37さん» コメントありがとうございます!出す機会があれば使わせてもらおうと思います。 (2017年2月3日 8時) (レス) id: db1c4842a6 (このIDを非表示/違反報告)
sana37(プロフ) - 読ませて頂きました、これからのストーリーが気になります。是非うちの子も使ってください。 (2017年2月2日 23時) (レス) id: bd466cdcb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スズラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年1月29日 10時

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