【d!】君の事が本当に嫌いでした。

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中間テストを終えた私達は、未だ図書室に居座っていた。


「じゃあ、いくで。」


「はい、せーの」


捏島の手から机へと出された紙。右上には赤色のペンで58と書かれている。ちなみに私は92だ。


「おぉ、すごい。上がるもんだね」


「こんな点数初めてとったわ。」


まあ言うまでもなくそれは中間テストの数学の点数だ。赤点の中でも酷いくらいだったのにここまで来るとは。赤点脱出が目標だったのに、平均点レベルまで来れるとは予想していなかった。


「全部お前のおかげやな。」


捏島はにへ、と笑った。


「…、そんで他は？」


そう言うと固まる捏島。まさか。


「…いや、それがやな。
数学に力入れすぎて、ほかの点数めっちゃ下がってん。」


そう言って見せられた解答用紙たち。国語、地理歴史辺りはまあまあの点数だが、それ以外が酷い。赤点はないが、赤点スレスレのがほとんどだ。




「…やからさ、また勉強教えてくれへんか。」


こいつが初めて私に勉強を頼んだ時と似ているなあ、とぼんやりあの時のことを思い出す。あの時は言い負かされて無言の肯定と取られたことも相まって、本当にこいつが嫌いで嫌いで、仕方なかったな。

なんで嫌いだったのか、全然覚えてないけど。
あの時と違う顔で私に教えを乞う捏島に、私は答える。



「…勿論」







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