【d!】君の事が本当に嫌いでした。

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「、う…」



うめき声が口から漏れる。まさか今ここでこいつからこんな言葉が出てくるなんて、胡麻の一粒も思っていなかったから、動揺が止まらない。


掴まれた腕。私の腕を掴む捏島の手は力強い。こんな力振り払えるほどの腕力は生憎だがもちあわせていない。私を逃がす気は毛頭無いらしい。


そこで頭の中をぐるぐるとフル回転させればいろいろな事が合致することに気付いた。

…あーあ、こいつはきっと全部知ってたんだろう。どうせ鬱くん辺りが内通してたんだろう。私から色々聞きだして、公園のことだってそうだ。私に確証持たせて、それをこいつに伝えたんだろう。絶対そうだ。…だからあんな思わせぶりな、匂わせみたいなことして。本当に、あのクズ。なにしてやろうか。

…これは全部推測に過ぎないし合ってるかは知らないけど。



「…返事、なんか、あるやろ」



こいつにしては珍しく照れているようで、言葉は途切れ途切れという感じだし、語尾は小さくなっていく。

…私が言ってやる返事は、一つだけだ。







「…私は、嫌い、だけど」



「…ふは、…そうか…！」



何を思ったのかこいつは、笑いながら片手で私を抱きしめた。ほんっっとうに何を考えているのか、腹が立つ男だ。




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