【d!】君の事が本当に嫌いでした。

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「まー、冗談は抜きにしてさ」


「うん」




「恋愛マスターの俺からしたらそれはまあ間違いなく恋や。」


鬱くんが恋愛マスターかどうかはこの際どうでもいい。(あんまり信用ならないことには変わりないけど)自分の気持ちがまあ分からないわけじゃないけど、きっと幾人もの女を手駒にして遊んできた男が言うのだからそうなんだろう。


「今僕に対して失礼なこと考えた？」


「考えてないよ」


「…まあええわ。
で、！相手の心当たりは？」







「…まず男の人と全然話さないから、思い当たる節がないというか。」


基本女子とも仲いい子としか話さないからなあ、プリント回収の時くらいでしか話さない。…友達が少ないのもあるけど。


「…はー…これだから…。

Aちゃん、1人仲ええ男おるやん、なあ。」


…はて、そんな人間いただろうか。


「…？？」


別に鬱くんとは仲良いわけじゃないし、シャオロンだって最近多少話すようになったくらいで。


「…え、まじで？」


「…い、いる？そんなひと」


「シッマやシッマ！忘れたらんといて！」





「…捏島ぁ？」


頭の片隅にも浮かばなかった名前は、私の心の中でごとりと音を立てて落ちるようだった。

「…え、シッマちゃうん？

Aちゃんの1番近くにおって、1番長い時間一緒におるやろ。」


「…そう、…かも。」


「…もしかしてAちゃんって鈍感？」


「違う」


即答したものの、私は自分や周りのことに疎いのかもしれないとは思ったことがあったりする。実際周りの空気が変わったことなんかには気付けないことが多い。
…本当に鈍感かも

だからといってそれとこれとは別の話だ。


「でも、捏島は…多分違うよ」


「…そう思うんや。…あ、ちょっと公園寄らん？」


「？いいけど」


急にそう言い出す鬱くん、なにかしら話したいことがあるのだろうか。丁度よく近くにあった公園に、私と鬱くんは入っていった。





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